本当に心が静まるのは穴場のモスクだった。イスタンブール旧市街のモスク3選

(c)Zon

ブルーモスクやアヤソフィアなど、トルコ イスタンブールの有名な観光スポットはもちろん見応えがあります。一方で、観光地化していない、地元の人の生活に溶け込んでいるモスクにこそ、その真髄を垣間見ることができるのも確かです。旧市街にスポットを当てて、ガイドブックではあまりお目にかかれない穴場のモスクを3つご紹介します。

●1.実はブルーモスクより青い「Sokullu Mehmet Paşa Camii」

定番観光スポットのブルーモスクから徒歩10分ほどのところに「Sokullu Mehmet Paşa Camii」はあります。ブルーモスクの近くにこんなに静かで観光客が少ないモスクがあるのはあまり知られていません。

(c)Zon

観光客が訪れないにも関わらず、このモスクはトルコの大建築家ミマール・スィナンの作品という、訪れる価値ありのモスクなのです。

内部はあのブルーモスクよりもブルーが印象的な空間。イズニックタイルというトルコのタイルが大量に使われているのです。よく見てみると、青や緑の花をモチーフにしたものが細部に施されているのがわかります。

(c)Zon

(c)Zon

オスマン帝国時代に国の政権を担い、帝国のために生きた大宰相のためのモスクということもあり、規模こそ大きくないものの、地元の人たちの厚い信仰を感じ取ることができるモスクです。

施設名 Sokullu Mehmet Paşa Camii

住所 Küçük Ayasofya Mh. 34122 Fatih/İstanbul

●2.建築家の恋心が現れた「Mihrimah Sultan Camii」

イスタンブールのなかでも、特に信仰心が深い人たちが暮らすエリアのひとつがエディルネカプです。カーリエ博物館やテオドシウスの城壁などの観光スポットもありますが、どちらかというと観光は後回しにされがちな地区です。この地区にある代表的なモスクが「Mihrimah Sultan Camii 」です。

(c)Zon

スレイマン大帝の愛娘のために造られたモスクで、一歩足を踏み入れるだけで厳かでかつ女性的な雰囲気を感じることができます。「太陽と月」を意味する「Mihrimah」 の名前の通り、おびただしい数の窓からの採光が眩しく、また天体を思わせるシャンデリアや絨毯の模様は注目に値します。

(c)Zon

(c)Zon

モスクの設計者、ミマール・スィナンは密かに彼女に恋心を寄せていたともいわれており、その気持ちが表現されているかのように、モスク内部には優しく柔らかい時間が流れています。

施設名 Mihrimah Sultan Camii

住所 Karagümrük Mh. 34091 Fatih/İstanbul

●3.皇子たちが眠るモスク「Şehzade Camii」

オスマン帝国の最盛期を築き上げたスレイマン大帝の息子たちの霊廟がある「Şehzade Camii」は、地元の人たちから深い信仰を集めています。同じ地区にある有名なSüleymanıye Camii(スレイマニエ・モスク)に観光客は流れていくため、このモスクで見かけるほとんどはお祈りのために訪れる地元の人ばかりです。

(c)Zon

このモスクの建築家ミマール・スィナンが帝国から任された最初の重要な任務でした。それにも関わらず、このモスクは彼のもっとも優れた建築作品のひとつであると言われています。中を見学するだけでも、後世にそのように語り継がれている意味がよくわかる、荘厳な建築に心を奪われずにはいられません。

(c)Zon

(c)Zon

施設名 Şehzade Camii

住所 Kalenderhane Mahallesi, Şehzadebaşı Cd. No:44, 34134 Fatih/Istanbul

ローカルな場所へ足を運ぶからこそ、見えてくるものがたくさんあります。人で溢れた観光スポット以外のモスクで、心休まる体験をしてみるのはいかがでしょうか。

© 株式会社オンエア