気ぜわしく、息巻いて

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 おやっ?と思った人もいただろう。内閣改造の後は、国民の内閣支持率はだいたい上がる。それなのに、今回の第4次安倍改造内閣が発足した直後の共同通信社の世論調査を見ると、支持率は46・5%。9月時点よりもわずかながら下がった▲そのわけは分からなくもない。政権基盤を強めるとか、求心力を取り戻すとか、内閣改造はそんな理由でなされるものだが、今回はそうとは思えないからだ▲自民党総裁選の論功行賞、つまり「手柄の多い、少ないに応じたご褒美」の色合いが強いとされ、初入閣12人の大半は総裁選で安倍晋三首相を支持した派閥に属する。公文書改ざんといった不祥事続きの財務省のトップもその座にとどまった▲「守り」の姿勢がどうも目立つが、気ぜわしい動きもある。首相は党の憲法改正案を次の国会に提出できるよう取りまとめを加速すべき、という意向を示している▲世論調査ではこれに賛成が36%台、反対が48%台で、国民の間に改憲を「急げ」という声が高まっているわけではない。なのに首相は“お友達”の下村博文氏を党の憲法改正推進本部長に据えたりと、息巻くさまがうかがえる▲森友・加計問題で、かつて首相は「謙虚に、丁寧に」と繰り返した。そう言えば、内閣改造時の会見で、首相の口からその言葉は消えていた。(徹)