蒲島知事「状況に応じ緩和を」 被災者の奨学金返還

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被災者への育英資金返還問題で会見する蒲島郁夫知事=5日、県庁

 熊本地震で被災した家族に、県が県育英資金の返還請求訴訟を起こしていた問題で、蒲島郁夫知事は5日、緊急記者会見を開き、「被災者の生活再建が第一」という原則を踏まえ、被災者の奨学金返還は状況に応じて緩和するよう、県教委に見直しを要請したことを明らかにした。

 県教委は「要請を真摯[しんし]に受け止めたい」として、11月をめどに具体的な対応を決める方針。

 蒲島知事は会見で、今回の県教委の対応について「制度や規則に沿い、誠実に進めた」としたが、「被災者に寄り添っていない」などの批判があったことに言及。被災家族の生活再建状況を確認した上で、月々の返還額などについて柔軟な対応を求めた。

 また、被災を理由とする育英資金の返還猶予期間は原則1年以内だが、1年を超えて返還猶予ができるよう見直しを要請した。

 県は、大津町のみなし仮設住宅に住む男性(50)と子ども3人を熊本簡裁に提訴。連帯保証人である男性が返還していたが、地震後は支払いが滞っていたため、一括返還を求めた。現在は分割返還で合意している。

 男性は「県教委には知事の考えに沿った対応をしていただければ助かる」と話した。(臼杵大介)

(2018年10月6日付 熊本日日新聞朝刊掲載)