号砲 県議選 16選挙区の構図⑤

◎保守分裂含みの激戦か 松浦市区(定数1)

 2月の県議補選を制した自民現職の高橋勝幸が再選を狙い、元自民衆院議員秘書で、次点で敗れた無所属新人の石本政弘が挑む。補選同様、保守分裂含みの激戦が予想される。
 三つどもえとなった補選では、前市議会議長の高橋が知名度を武器に競り勝った。だが、投票率は52・16%と低調で、石本との差もわずか380票。今回は、両者ともさらなる支持基盤の強化が鍵を握る。
 補選結果について、高橋は市議会議長としての実績が評価につながったと分析。「現職である強みを生かす」とし、県議として招かれるイベントに小まめに参加し存在感を示している。対する石本は「名前の売り込みが不十分だった」と補選を振り返る。落選後も、さまざまな式典、イベントにくまなく足を運び、地域への浸透を図っている。
 2会派に分裂し、勢力を争う自民県議団。会派で見ると、高橋が「自民」に所属する一方、石本は最大会派「自民・県民会議」に近いとされる。結果が両会派の力関係に影響を与えるだけに、注目の選挙区となりそうだ。
 ある市議はこう分析する。「推薦団体や支持組織は五分五分。おもしろい戦いになる」

 ▽立候補予定者
高橋 勝幸 69 自現(1)
石本 政弘 63 無新

◎現職2人出馬予定 雲仙市区(定数2)

 5期目を目指す徳永達也、3期目を目指す宅島寿一の自民現職2人が出馬を予定している。ほかに目立った動きはなく、無投票との見方が広がっている。
 徳永は市内7町で最多の人口を抱える国見町を、宅島は2番目に多い小浜町をそれぞれ地盤に活動を広げる。市の南部と北部で一定のすみ分けができている構図は、4年前の前回選挙と変わっていない。
 雲仙市区は2011年の前々回以降、県議選で無投票が続く。市民からは「市長選もずっと無投票で、政治離れに拍車が掛かってしまう」と嘆く声も聞かれる。
=文中敬称略=

 ▽立候補予定者
徳永 達也 59 自現(4)
宅島 寿一 48 自現(2)

◎3回連続無投票か 東彼杵郡区(定数1)

 東彼波佐見町出身の自民現職、中島廣義が5選を目指す。今のところ、非自民側にも目立った動きはなく、3回連続無投票と見る向きが強まっている。
 県連幹事長を務める中島は、自民県議団が分裂している現状について、「(自分が当選し、幹事長として)融和を図る責任がある」と強調。東彼杵郡区内の3町の町議や自民関係者、地元経済界からは「(中島が所属していない)もう一つの県議会会派『自民』が対抗馬を立てるのでは」との観測も流れるが、「現職は盤石。あえて挑む人はいない」との見方が多い。

 ▽立候補予定者
中島 廣義 72 自現(4)

 【お断り】立候補予定者名簿の政党は衆院勢力順(自民=自、立民=立、国民=国、公明=公、共産=共、社民=社、無所属=無)。政党内は現職-元職-新人の順で、当選回数(丸数字)ごとに五十音順。所属は公認申請予定を含む。

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