【MLB 地区シリーズ】レッドソックス左腕セールが“鬼門”PO初勝利 心に残った指揮官の言葉とは…

レッドソックスのクリス・セール【写真:Getty Images】

昨季POでは2戦2敗、本拠地フェンウェイでの先発勝利に「最高」

■Rソックス 5-4 ヤンキース(日本時間6日・ボストン)

 レッドソックスの左腕クリス・セール投手が5日(日本時間6日)、本拠地での地区シリーズ第1戦でヤンキースと対戦し、5回1/3を5安打8奪三振2失点と好投。自身にとって初めてのプレーオフ勝利を飾った。昨季は1先発1救援で2戦に投げたが、いずれも敗戦投手となった“鬼門”の舞台。地元ファンの大声援と指揮官の言葉を後押しに、見事「三度目の正直」を成し遂げた。

 プレーオフに初出場した昨季。アストロズと戦った地区シリーズで第1戦の先発を任されたが5回7失点と炎上。逆王手をかけられた第4戦には、同点の4回から中継ぎ登板したが、勝ち越しを許して涙を呑んだ。地区シリーズは1人で2敗を喫した“鬼門”の舞台。相手は違えど、きっちりリベンジした。

 初回、先頭マカッチェンを見逃し三振に仕留めるとエンジン全開。左肩を痛めて8月のほとんどを故障者リスト(DL)で過ごした。DLが明けた9月には4試合に投げたが、球数は26球から徐々に増やし、9月26日(走27日)のオリオールズ戦で、ようやく92球に達した。

 そんなブランクすら感じさせないパフォーマンスで、宿敵ヤンキース打線に狙いを絞らせず。スライダーとチェンジアップを絶妙に織り交ぜながら、打者のバランスを崩した左腕は、「今日は、今まで以上に自分らしく感じられた」とマウンド上での手応えを語った。

コーラ監督が助言「1球目の勝負に勝て。そして、それに続く全球で勝ち続けるんだ」

 左肩の痛みから回復した直後、相性の良くないプレーオフの場で、同地区ライバルのヤンキースと対戦。ともすれば、気持ちが入りすぎてしまう状況だが、プレーオフを迎える前にアレックス・コーラ監督から伝えられた言葉が心に残っていたという。

「この前、AC(コーラ監督の愛称)に言われたことがあるんだ。1球目の勝負に勝て。そして、それに続く全球で勝ち続けるんだって。だから、今夜はこの1球を投げたら降板を告げられる、という気持ちで全ての球を投げたんだ。マウンドの上では、勝つためにやるべきことをやるだけだ」

 監督の言葉通り、この日の1球目となった95.4マイル(約154キロ)速球でマカッチェンから空振りを奪って“勝利”すると、渾身の投球でヤンキース打線を退けた。

 待望のプレーオフ初白星だが、何よりもチームを勝利に導けたことがうれしい。まずは1勝。シリーズ突破に向けて一歩前に進んだ。(Full-Count編集部)

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