【MLB 地区シリーズ】ドラフト20巡目から打点王…先制3点弾のレ軍マルティネスが貫くアプローチ

先制ホームランを放ったレッドソックスのJ.D.マルティネス【写真:Getty Images】

2年連続40アーチ&100打点、今季は130打点で打点王

■Rソックス 5-4 ヤンキース(日本時間6日・ボストン)

 レッドソックスの主軸J.D.マルティネス外野手が5日(日本時間6日)、本拠地での地区シリーズ第1戦で、初回にヤンキース先発左腕ハップから値千金の先制3ランを左翼へ運んだ。「みんなのプレッシャーを少し和らげられたと思う」という一撃に牽引されたチームは、9回に1点差まで追い上げられたが逃げ切り勝利。短期決戦で貴重な初戦白星を飾った。

 初回1死一、二塁で打席に立つと、レッドソックス打線と相性のいい左腕ハップの低め速球を弾き返した。勢いよく飛び出したライナー性の打球は左翼スタンド最前列に飛び込む先制3ラン。「間違いなくみんなをリラックスさせられた」と自賛するアーチで、いきなり3点のリードを得た。

 フロリダ州マイアミ出身の31歳。2009年ドラフトでアストロズに20巡目に指名された。パワーはあるが荒削りな打者だったマルティネスを変えたのは、3冠王ミゲル・カブレラとの出会いだった。

 アストロズを自由契約になった2014年3月、タイガースとマイナー契約を結び、4月下旬にメジャー昇格。「自分は最高の打者だと思う」というカブレラが、3冠王、MVP、首位打者などの栄誉に甘んじることなく、来る日も来る日も打撃に磨きをかけるため努力を積む姿を目の当たりにし、感銘を受けたという。

 また、「自分は打者であることが第一。長打も打てるということは二の次だと信じている」と話すのも、カブレラが状況を見極めながらも、ヒットの延長が長打というスタイルを貫いていたことに影響されたという。タイガース1年目の2014年に打率.315を記録すると、翌2015年(.282)を除く毎シーズンで打率3割を達成。ホームランの数も徐々に増え、昨季自己最多の45発を記録すると、今季も43発を打ち上げた。

 ドラフト20巡目からメジャーを代表する強打者に成長したマルティネス。最高の打者から学んだアプローチで、これからも球史に名を刻む勝負強さを見せつけたい。(Full-Count編集部)

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