成年女子ボルダリング 原田・大河内組V 福井国体 日本代表抑え歓喜 最強のチームワーク

 第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」第8日は6日、各地で17競技が行われ、長崎県勢は山岳成年女子ボルダリングで原田朝美・大河内芹香組(長崎国際大・西九州大)が初優勝を飾った。同種目の優勝は長崎県勢初。

 バレーボール少年女子は2回戦で静岡に2-1で競り勝ち、2年ぶりに準々決勝進出。重量挙げ勢は少年男子56キロ級の木下和哉(諫早農高)がスナッチ、ジャークともに5位で2種目入賞したのをはじめ、成年男子105キロ超級の吉岡直哉(九国大)がスナッチで7位、少年男子53キロ級の梅崎達也(諫早農高)もスナッチで7位に入った。

 カヌー・ワイルドウオーター成年女子カヤックシングル(K-1)スプリントの保喜ちひろ(西海市役所)は6位と力漕。5日の1500メートルと合わせて2種目入賞した。

 陸上勢は成年男子100メートルの永田駿斗(慶大)が7位で2年連続入賞。少年男子B走り幅跳びの廣田麟太郎(長崎日大高)が8位と健闘した。

 一方、バドミントン少年女子、軟式野球成年は、ともに8強を懸けた2回戦で惜敗。柔道女子も2回戦で敗れた。

 ■原田・大河内組 日本代表抑え歓喜 最強のチームワーク

 小学生のころから10年以上。切磋琢磨(せっさたくま)してきた山岳の原田・大河内組(長崎国際大・西九州大)が、成年女子ボルダリングで長崎県勢初となる頂点に立った。日本代表を擁する茨城、東京を抑えての優勝。「まさか勝てるなんて…」。驚きと喜びで涙があふれた。

 「最強のチームワーク」が勝因だった。四つの課題で完登を目指すボルダリング。前半の第1、2課題を一撃でクリアした大河内が、原田に手足の運び方を教えた。「そのまんました」という原田も第1課題を完登。第2課題もゾーンまで到達した。

 後半は第4課題を大河内が先に完登。苦手な傾斜のない第3課題も「(原田)朝美ちゃんが隣で第4課題を完登するのが聞こえて、せっかくゾーンまで来たから頑張ろう」と力を振りしぼった。壁をはい上がり、両手で頂上をつかむとガッツポーズ。最終的に東京、茨城と完登6で並び、ゾーン差1で競り勝った。

 今大会前は選考会を開催。出場枠を争った木下(イノベーション21ビル)の存在も力をくれた。「彼女の分も頑張る」。3人は小さいころから、2014年長崎国体に向けて頑張ってきた仲間。竹田監督(長崎県健康事業団)は「国体をステップに全国へ、世界へとやってきた」と“長崎国体世代”の成長に目を細めた。

 昨年も2人で4位入賞したが、笑顔はなかった。それからは「3位以内」と誓って頑張ってきた。マイカーを持った4年生の原田は行動範囲を広げ、いろんな練習場へ通った。2年生の大河内は週末のたびに各種大会に出て、レベルアップしてきた。笑えなかったあの日から1年-。2人の間に最高の笑顔の花が咲いた。

【山岳成年女子ボルダリング】第3課題を完登してガッツポーズする大河内(西九州大、左)と第2課題に挑む原田(長崎国際大)=福井県池田町特設会場

© 株式会社長崎新聞社