キリスト教弾圧の歴史紹介 平戸オランダ商館で企画展

 長崎県平戸市大久保町の平戸オランダ商館で、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録を記念した企画展「平戸藩とキリスト教」が開かれている。31日まで。

 禁教下の宗教弾圧やキリシタンの苦難の歴史を伝え、世界遺産の価値を再認識してもらおうと企画した。初公開40点を含む72点を展示する。

 平戸には1550年にポルトガル船が入港。領主松浦隆信は鉄砲や火薬を手に入れようとキリスト教の布教を認めたが、後を継いだ鎮信は熱心な仏教徒で、キリスト教を禁じて激しく弾圧した。

 会場には、豊臣秀吉がキリスト教の伝道を禁じた「伴天連追放令」の書状や、同市の根獅子地区に伝わるキリストとマリアの生涯の15場面を木札に書き記した信仰具「お札様」などを展示。逆さづりなどキリシタンが受けた過酷な拷問や、絵踏みをさせていた様子もパネルで紹介している。

 同館の出口洋平学芸員(33)は「禁教や弾圧の歴史を知ることで世界遺産登録の本当の価値が分かるはず」と話している。

 入館料は大人300円、小中高生200円。問い合わせは同館(電0950・26・0636)。

絵踏みを描いたパネルを紹介する出口学芸員=平戸市、平戸オランダ商館

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