秋祭り=学校休み 姫路の慣例、全国では少数派

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秋祭りに向け、太鼓の練習に励む子どもたち=姫路市飾磨区天神(撮影・斎藤雅志)

 10月に入り、秋祭りの季節が到来した。全国有数の祭りどころである兵庫県姫路市の一部では、祭りと平日が重なった場合、小中学校が休みとなる。かつては各地で見られた慣例だが、祭りの日程を暦の休日にずらす地域が増えたり、学校の多忙化が指摘されたりする中で、今や全国的にも珍しいとみられる。「灘のけんか祭り」など日付固定の祭りが多く残る播磨(播州)地域では、地域の一大行事に学校側が合わせる形が脈々と引き継がれている。(上田勇紀)

 姫路市教育委員会の今年9月末時点の集計によると、同市内では10~11月の秋祭りに合わせ、小学校68校のうち20校、中学校34校のうち10校が丸1日休みになる。

 このうち、灘のけんか祭り(毎年10月14、15日)で知られる松原八幡神社に近い白浜小は10月15日が休み。恵美酒宮天満神社や浜の宮天満宮の秋祭り(いずれも毎年10月8、9日)がある飾磨小は同9日、魚吹(うすき)八幡神社の秋祭り(毎年10月21、22日)がある旭陽小は同22日-と、祭り2日目の本宮を休校とする。いずれも初日の宵宮は日曜か祝日に当たるため、児童は2日間とも休みになる。

 年によっては宵宮、本宮とも平日に重なり、宵宮を半休、本宮を休みにすることも。こうした措置は各校が判断して市教委に届ける。「正確にいつからの流れかは分からない。ずっと前からの伝統かと…」と市教委担当者。学力低下への対策で授業時間や学習内容は増えているが、5時間授業の日を6時間にしたり、参観日の振り替え休日を祭りの日に当てたりして対応しているという。

 一方、かつて播州と同様だった兵庫県外の祭りどころは、様変わりしている。

 大阪府岸和田市の9月の「だんじり祭」は2005年まで、14、15日に固定され、祭りに関わる小中学校は同14日が休みだった。だが現在、祭りは「敬老の日」(毎年9月の第3月曜日)の前日、前々日の土日曜に変更されている。

 岸和田のように、日付固定の形を変えた地域は多い。日程変更に大きな影響を与えたのが、祝日の一部を月曜に指定した2000年施行の改正祝日法(ハッピーマンデー法)だ。それまで10月10日だった「体育の日」は10月の第2月曜に変わり、土日曜と合わせ3連休に。法改正は余暇のレジャーを促し、経済効果を高めるのが狙いだったが、伝統だった祭りの日程を、人が集まりやすい3連休中にずらす動きが兵庫でも相次いだ。

 県内では、姫路市に隣接する高砂市の一部小中学校が、秋祭りに半休を実施。赤穂市では「赤穂義士祭」(毎年12月14日)の日を休校にしている。県教委によると、他にはこうした対応は把握していないという。

 大人も会社を休んだり、地元を離れていても帰省したりすることで知られる播州の秋祭り。姫路市の飾磨小は「そうした社会的行事に、子どもたちが参加しやすくすることには意義がある」としている。

■「長崎くんち」半日休、「祇園祭」登校…各自治体判断さまざま

 文部科学省によると、公立学校の休校日は、各自治体の教育委員会か学校長が判断して設定することができる。

 国重要無形民俗文化財の祭礼「長崎くんち」(毎年10月7~9日)がある長崎市では、3日間のうち土日祝日が1日でもあれば、通常通り授業を実施。3日間とも平日の場合は、そのうち1日を半日休みにする小中学校が多い。

 加えて「役目があるため祭りに参加させてほしい」と地元自治会などから要望があった児童生徒については、欠席しても出席扱いにするという。

 夏の風物詩である京都市の「祇園祭」は、7月の1カ月間にわたって、さまざまな神事や行事が続く。市観光協会などによると、課外授業などで祭りを見学することはあるが、学校が休みになることは基本的にないという。

 神戸市の「神戸まつり」は現在、5月の土日曜に開かれており、学校の影響はないが、2002年度の「学校週5日制」の導入前は臨時休校があった。