NTNが「羽咋丸善」買収/軸受け一貫生産体制を強化

 ベアリングメーカー大手のNTN(本社・大阪市西区)はこのほど、軸受けなどの鍛造部品を手掛ける羽咋丸善(資本金・3千万円、本社・石川県羽咋市、社長・平美都江氏)を買収すると発表した。自己株式を除く発行済みの全株式を取得。取得額は約100億円。NTNが能登地区に有する工場(製作所)と連携し、産業機械向け軸受けの一貫生産体制の強化を図る。

 羽咋丸善は1968年設立で、自社開発のローリングミル設備と金型を活用して寸法精度に優れた鍛造リングを製造。特殊形状の異形鍛造リングの製造では、ニアネットシェイプ(最終製品に近い形状)加工など高い技術力を有し、環境負荷低減やコスト削減で強みを持つ。

 NTNはこれまで同社から直径2メートルを超える風力発電装置向け超大型軸受けをはじめ、産業機械向けの各種軸受けの鍛造品を調達してきた。また、2009年には同社の鍛造工場を取得(現志賀製作所)するなど長年の取引関係があった。

 NTNは、能登地区の羽咋、宝達志水、志賀、能登の4製作所で各種軸受けを生産し、17年には能登製作所内に熱処理工場を新設した。今回、羽咋丸善を子会社化することで能登地区における軸受けの一貫生産体制をさらに充実させ、競争力強化につなげたい考えだ。

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