ギャンブル依存対策 借金肩代わり、家族は「だめ」

 公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表が7日、長崎県大村市内で講演。今、最も必要なギャンブル依存症対策は「家族はギャンブルの借金を肩代わりしてはいけない、もしくは肩代わりしなくてもいいという啓発」と語った。

 全国で啓発活動に取り組む田中代表は、依存症は脳の機能不全とし「時間がかかる慢性疾患」と指摘。自身の祖父、父、夫が依存症で、祖父は99歳で亡くなる2週間前までパチンコ店に通ったことを明かした。

 対策として「本人に自分でお金を管理させ、やはり自分は生活ができずギャンブルをやめなければということを自覚させるのが大事」と主張。家族が借金を肩代わりしないための周知策では、ギャンブルの運営側が広告費の一部を啓発に充てることを提案した。

 依存症の人が悩みを分かち合い対処法を模索する自助グループや、病院、精神保健福祉センターなどにつながる重要性も強調。若い時にギャンブルを始めた人が依存症になるリスクが高いとみて、高校3年生や大学1年生への予防教育の充実も訴えた。

 講演会は、NPO法人全国ギャンブル依存症家族の会長崎支部(佐藤里美代表)が主催。約60人が参加した。

ギャンブル依存症対策の充実を訴える田中代表=長崎県大村市本町、プラザおおむら

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