JFEシビルの「北海道システム建築協力会」、石狩市新港で現場見学会 メタルビル独自の「いちいち基礎工法」、工期短縮・人手不足にも対応

 JFEシビルのJFE北海道システム建築協力会(会長・大川晃弘大川鉄工所社長)はこのほど、石狩市新港の建設現場で、柱と杭を一体化させたメタルビル独自の基礎工法「いちいち基礎工法(システム建築)」の現場見学会を開催した。

 今回の見学会は、北海道胆振東部地震の発生により当初日程を延期して開催したもので、当日は協力会メンバーら15人が出席。石狩市新港で基礎にJFEシビルのいちいち基礎工法を採用し建設が進められている「仮称・共和鉄工石狩工場新築工事」の現場で、その特性や工法を学んだ。

 見学会では、今年6月の総会で会長に就いた大川会長が挨拶し、「会の活動として今回のような現場見学会などを積極的に開催したい。きょうは、いちいち基礎工法で建設が進められている現場を実際に見学し、今後の構造製作や情報提供に役立ててほしい」などと挨拶した。

 続いて、建設中の物件紹介や同工法の概要・特長などについて説明を受けた後、建設現場に移り同工法による施工状況を見学。意見交換や質疑応答も活発に行われ、参加者はいちいち基礎工法に対する理解を深めた。

 JFEシビルは、北海道地区における営業展開を東北支店(支店長・辰田広一氏)が管掌しており、今回の現場見学会に先立ち、北海道建築士事務所協会札幌支部鋼構造設計業務委員会(委員長・山城達男札幌構造設計事務所社長)が主催した見学会でも設計関係者に同物件で同工法を紹介している。

 今回見学した現場は、石狩市新港東2丁目2で今年7月から建設がスタートした「仮称・共和鉄工石狩工場新築工事」。この工事は、工場棟の建設をJFEシビルが元請けとして受注しており、今年12月28日までの工期で、鉄骨造平屋建て延べ床面積4364平方メートルの工場棟を建設する。また、この現場では55本の柱と杭を一体化させた同工法を採用している。

 「いちいち基礎工法」はシステム建築(メタルビル)と立体駐車場(メタルビル)の基礎工事に適用。基礎が必要な軟弱地盤で基礎・杭・柱を一体化させたメタルビル独自の基礎工法で、基礎梁と杭本数が減らせるためコンパクトな基礎が実現し、短工期化や工事費低減のメリットで評価を得ている。

 また、人手や工事車両が少なくて済むシンプルな設計により人手不足の解消にも最適で、日本建築総合試験所の建築技術性能証明の取得で高水準の耐震性が確認されており、建築確認(適判審査含む)も円滑に取得可能。これまでに北海道では今回見学した物件で5件目、全国では約120件の採用実績を挙げている。

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