【平成の長崎】ビッグN初ナイター 雨中の熱戦 2万5000人酔う 平成9(1997)年

 長崎県では7年ぶりのプロ野球公式戦、ヤクルトー広島の長崎シリーズ第2戦は1997年9月7日、落成記念行事ともなる長崎市松山町の県営「ビッグNスタジアム」で行われた。
 6日の第1戦が雨で中止になったこともあってファンの期待も高く、プレーボールの午後5時には、小雨の中、約25000人が真新しい内、外野のスタンドを埋めた。
 歓声とスタンドの熱気が、重く垂れ込めた雲を押し上げ、3回には雨もやむ。空が暗くなるにつれて緑のグラウンドが浮き立ち、ナイターならではの華やかさ。ゲームは広島が3回に3点を奪い、首位ヤクルトが追う展開。スタンドは一投一打に沸いた。1-4で迎えた7回、ヤクルトが無死1、2塁の絶好の反撃機を迎えたところで、強い雨が降り出し31分の中断。祈るようなファンの思いも通じないまま、降雨コールドゲームとなった。 十分とはいえないまでも、久しぶりに地元で観戦できたプロ野球公式戦。残念そうに帰路に就くファンからは「これからも毎年開いてほしい」との声が強かった。
(平成9年9月8日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

7年ぶりの長崎県開催となったプロ野球、ヤクルトー広島の長崎シリーズ第2戦。県営「ビッグNスタジアム」のスタンドは約2万5000人のファンで埋まった=長崎市松山町

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