カネミ油症50年 インタビュー 未認定 法改正で解決を

油症認定患者 旭梶山英臣さん(67) カネミ油症被害者五島市の会会長=五島市=

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 「次世代」を含めた未認定患者の救済が最大の課題。ただ現在の制度や科学的知見のままでは認定されるのは難しい。国は患者の気持ちを理解し、認定につながる診断基準の緩和など新たな対応をしてほしい。
 私は事件当時、長崎市内にある高校の3年生。同市内に下宿していたが、玉之浦町の実家に帰省した際、汚染油を食べた。油症認定されたのは12年後の1980年、同町役場で働いていたとき。久留米大の自主検診を受け、吹き出物、爪や口内の色素沈着などを指摘されたため、県の油症検診を受けて認定された。
 極端に言えば油症は「人ごと」だった。激しい皮膚症状などが注目されていたから自分には関係ないと思った。周囲にも検診を受けるのが遅れた人や、女性を中心に差別や偏見を恐れて認定を望まない人がいた。
 今になって症状が悪化した人が認定を求め検診を受けても、ダイオキシン類の血中濃度が基準を超えるのはまれ。50年間で体外に排出されたためで、私も既に通常の値まで下がっている。しかし体調は良くない。
 国は現状を踏まえ、周囲の人の証言で「カネミ油を摂取した」と認めるよう法律を改正すべきだ。直接油を食べた人は高齢化しており残された時間は少ない。
 次世代については、まずは事件後10年間に誕生した人や「黒い赤ちゃん」として生まれた人など、健康への影響が大きいと考えられる人から認定を進めるなどの段階的対応が必要だ。
 事件の風化も心配。カネミ倉庫には、記念碑など目に見える形で犠牲者を慰霊する施設を設置するよう求めている。また、五島市は、新築する市立図書館などに油症関連の書籍や資料をまとめて展示するスペースを設け、誰でも事件について学べる環境を整えてほしい。

診断基準の緩和の必要性を訴える旭梶山さん=五島市内