世界遺産土産に菓子を 松田屋老舗 南島原 新商品「原城の月」 須崎屋は新パッケージ

 南島原市南有馬町の原城跡を含む「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録を記念し、同市口之津町の菓子店「松田屋老舗」は観光客向けの土産品にと焼き菓子「原城の月」を新発売。登録記念の新商品は市内でまだあまり例がなく、同店は「地域活性化に民間から少しでも貢献したい」としている。
 島原・天草一揆の舞台となった原城跡から見える月をイメージし、代表の松田勝英さん(81)が発案。島原半島産の卵を使ったもちもち食感の生地と優しい甘みが特徴。3個セット500円。同店と原城跡近くの原城温泉真砂で購入できる。
 半年にわたる試作を経て2015年に完成。しかし、16年2月の政府推薦取り下げ決定を受けて開発はいったん休止。今年6月末の登録決定の後、急ピッチで包装をデザインし直すなどして8月11日に発売した。松田さんは「一揆軍総大将の天草四郎も月を見上げキリシタンの自由を祈ったはず。盛り上がりが一過性にならないよう、地元の誇らしい歴史を観光客にも知ってほしい」と話した。
 また、同市有家町の須崎屋は、登録を記念してパッケージを新装。従来の五三焼きカステラ(0・5号、1080円)の箱に「世界遺産 原城跡」の字と城のイラストをあしらった。同社は「南蛮菓子詰め合わせなど、キリシタンにまつわる新商品開発もしたい」としている。

世界文化遺産登録記念の土産品「原城の月」=南島原市口之津町、松田屋老舗
パッケージを新装した須崎屋の五三焼きカステラ

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