避難生活の長期化懸念【中】

立ち上がる被災地 安平・むかわ

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神社や墓地も被害甚大

シンボル

地震により屋根が落下した社殿=4日午前11時、安平町早来大町地区・早来神社

 安平町では断水が解消し、自衛隊による入浴支援が4日に終了した。安平公民館の避難所は3日に閉鎖され、町内の避難所数は7カ所から3カ所までに減少。避難者数は100人を切り、95人(4日午前7時現在)となった。一方で、仮設住宅への入居時期は未定(10月末以降)で、住家に損壊などの被害を受けた世帯の避難生活の長期化が懸念される。

 今回の地震では早来大町地区の早来神社も壊滅的な被害を受けた。町のシンボルとして、町民の誇りだった同神社。高橋晴昭宮司(70)は「ものすごい揺れに、ひるんでしまった」と恐怖の瞬間を振り返る。

 揺れは長く、皿やガラスが床に散乱した。「部屋の中はぐじゃぐじゃで足の踏み場がなかった」。懐中電灯で照らし、妻と娘の安全を確認し、社殿の様子の確認に向かったのは、地震発生から30分後。

 外に出た瞬間、大変な事態だと直感した。「形が違う」。社殿の屋根は地面に落ち、広範囲で地割れが起き、こま犬と灯籠はひっくり返っていた。

 御鎮座126年を迎えた同神社の夏祭りは、同町の夏の風物詩だった。今年も9月7、8日に予定されていたが中止となった。

 高橋宮司は「町民の生活再建が優先。神社は二の次」とし、「神社は地域のものであり、町民と相談しながらこれからのことを検討したい」と語った。
(鈴木直人)

墓石倒壊

 むかわ町穂別地区では、最後まで残っていた穂別町民センター避難所が9月27日に閉鎖。今月2日には厚真町と平取町を結ぶ道道59号平取厚真線の通行止めも解除され、日常生活が戻りつつある。その一方で、墓地では墓石が依然倒壊したまま。石材店の手が回らず、復旧のめどは立っていない。

 町営の穂別霊園では大半の墓石が倒壊し、墓地には多くのブルーシートが掛けられている。穂別仁和の永林寺も被害を被った。穂別市街地にある梅渓寺でも50基以上の墓石が倒壊、シートに覆われた状態が続く。同寺では本堂の基礎にも亀裂が入り危険な状態な上、本堂裏手の斜面にも亀裂が見つかった。安全が確認されるまで立ち入り禁止となっているため、法事や葬儀も行えないという。9月23日の秋彼岸会法要も中止となった。

 穂別地区町民生活課によると、町内には石材店がないため、被災者は苫小牧市や岩見沢市など近隣の業者に修理を依頼しているという。担当者は「苫小牧市内の墓地でも墓石が倒壊していると聞く。強い余震も続いており、復旧までは長くかかるのではないか」と語っていた。
(鈴木直人、北川誠)

(2018年10月7日掲載)