高橋監督が辛抱強く使い続けた巨人岡本、史上最年少の「3割&30本&100打点」

巨人・岡本和真【画像:(C)PLM】

CSかかった最終戦の2連発で3打点、2015年の山田哲人を上回る最年少記録に

 巨人の岡本和真は最終の阪神戦を残して打率.308、31本塁打、97打点。史上最年少の3割、30本、100打点には打点が「3」足りなかった。1試合では厳しいかと思われたが、4打席目、5打席目に連続本塁打で3打点を稼いだ。そして岡本の2本塁打によって、巨人は3位を確定させ、CSに滑り込んだ。

 岡本和真は智弁学園時代から強打者として知られ、2014年のドラフト1位で巨人に入団。松井秀喜以来の高卒大物スラッガーとして期待を集めたが、3年間は1軍に定着できず。

 しかし4年目の今年は、春先から好調。オープン戦ではチーム最多の15打点をたたき出し、開幕スタメンを勝ち取った。巨人は2017年に100安打していた村田修一を自由契約にし、岡本を抜擢。今年こそ一本立ちさせたいという強い意向を持っていた。

 岡本はチームの期待に応え、3、4月は打率.330、5本塁打、5月も打率.333、4本塁打と活躍。6月2日のオリックス戦では巨人の第89代4番打者となる。岡本はこの試合でホームランを放った。その後スランプに陥り、7月には31打席無安打を記録したが、高橋由伸監督は岡本を4番から外さず、辛抱強く使い続けた。

 監督の気持ちにこたえて岡本は復活。以後も4番に座り続けて3割、30本、100打点を達成した。

「3割&30本&100打点」の年少記録トップ10は…

◯NPBの3割、30本、100打点 若年順10傑 年齢は10月1日時点

1、岡本和真 22歳3か月
2018年(巨人)143試540打167安33本100点 率.309

2、山田哲人 23歳2か月
2015年(ヤクルト)143試557打183安38本100点 率.329 

3、王貞治 23歳4か月
1963年(巨人)140試478打146安40本106点 率.305 

4、掛布雅之 23歳4か月
1978年(阪神)129試465打148安32本102点 率.318 

5、門田博光 23歳7か月
1971年(南海)129試506打152安31本120点 率.300 

6、山田哲人 24歳2か月
2016年(ヤクルト)133試481打146安38本102点 率.304 

7、王貞治 24歳4か月
1964年(巨人)140試472打151安55本119点 率.320 

8、筒香嘉智 24歳10か月
2016年(DeNA)133試469打151安44本110点 率.322 

9、大杉勝男 25歳6か月
1970年(東映)130試492打167安44本129点 率.339

10、王貞治 25歳4か月
1965年(巨人)135試428打138安42本104点 率.322

 岡本は2015年に初のトリプルスリーを記録した年の山田哲人の記録を11か月更新した。また巨人の選手としても、1963年の王貞治の記録を13か月更新した。

 不動の4番打者、岡本和真の誕生は、退任する高橋由伸監督の最大の置き土産となった。ポストシーズンでの活躍にも期待がかかる。22歳の若きスラッガー、岡本和真は偉大な先輩打者の打撃記録を追いかけてどこまで数字を伸ばすだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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