【公明党全国党大会】代表選がなくてもこんなに盛り上がる?! 安倍首相や、ゆるキャラも登場 | 党大会レポート

9月30日午後、東京・永田町で「第12回公明党全国党大会」が執り行われました。同日は台風24号が日本を縦断し、悪天候に見舞われていた地域もありましたが、党大会開始前・12時頃の東京は幸い曇りに留まり雨も降らず、無事に全国各地の代議員や党員を迎えて予定通りの開催となりました。

今回の公明党全国党大会は、自民党や国民民主党のように複数候補への投票を募る代表選はなく、報告が中心とは聞いていたものの、政党の党大会なるものに初めて潜入することになった筆者。どんな様子なのか…とソワソワしながら潜入した様子をレポートします。

巨大モニター設置、開始1時間前からすでに多くの人と、盛大な雰囲気

会場があるホテルの1Fで受付を済ませると、3Fのホールを案内いただきました。3Fホール前に到着すると、公明党のゆるキャラ・コメ助が目の前に!

「党大会とは、さぞおカタイ雰囲気なのでは…」と少し心配していた筆者は、ゆるキャラによるお出迎えに和みました(笑)コメ助グッズや、復興支援の一環で福島県の名産の販売を行っていました。福島名産のお菓子などが目に入り、さっそく財布の紐がゆるみそうになるのを一旦我慢し、会場であるホール内へ。

最大750人は収容できるという奥行きのあるホール、前方が各地の代議員の座席、後方は傍聴者の席と報道席が半々といった割り振りです。

メインの舞台の左右にはさらに巨大モニターが2台設営されていました。これほど大掛かりとは想像していなかったのが正直なところなので、党の中でも重要な一大イベントなんだな…と実感することに。

また、13時30分の開会まで1時間ほど時間があるにもかかわらず、各都道府県を代表する党の代議員の方たちはすでに8割以上入場、報道席もマスコミや通信社の記者・カメラマンが待機していました。

報道席で軽く準備を整えた後、ホール外の物販を再度覗きに行くと、なんともタイミング良く山口那津男公明党代表に遭遇!山口氏は、物販スタッフの方に福島の名産品のことを聞いたり、商品を手に取り報道陣に向けてPRもしたりしていました。ちなみに山口氏は喜多方ラーメンや、なみえ焼きそばなどの麺類が気になっていた様子でした。

開会前にもコンテンツが盛りだくさん

メインのコンテンツが始まる30分前の13時頃から、オープニングアクト(?)が始まります。会場内のモニターで映像の上映が始まりました。元厚生労働大臣であり、公明党特別顧問坂口力氏のハンセン病問題解決までのストーリーです。

ややシリアスで感動要素も多かった20分ほどの映像が終了すると、今度は打って変わって、明るく元気なムードで参議院議員の矢倉かつお氏と、佐々木さやか氏が登場! 11月9日まで投票を受け付けている、『ゆるキャラグランプリ』に党の代表として出馬(?!)しているコメ助の応援タイムです。

「(会当日時点での)コメ助のランキングは、110位、1位との票差は45万票…」と自虐を交えつつ、「毎日スマホで投票してコメー!」と投票を呼びかけていました。

山口代表、斉藤幹事長による新体制の発表

ここからが党大会のメイン。開会のブザーと会場注意事項アナウンスがされると、先程のリラックスムードから、ややピリッとした空気に。

開会の宣言、議長挨拶などを経て、代表選出へ。とはいっても今回の代表候補は山口氏、1名のみ。「山口氏の再任へ賛成の方は起立」の呼びかけに対し、満場一致で6選が承認されました。

その後、山口氏の指名により副代表や幹事長、党内委員として選ばれたメンバーの名前が順番に呼ばれます。前日に一部で報道があった通り、幹事長には斉藤鉄夫氏が新任として、前幹事長の井上義久氏は副代表へと指名されました。その他、各委員含め総勢32名が壇上へ上がり、新体制の勢いを見せました。

関連記事:公明党幹事長が交代。新たに就任した斉藤鉄夫(さいとう てつお)氏の経歴・政策は?

山口氏代表継続の挨拶「任期の向こう2年、増える課題にも与党として日本を支える」

続いて、山口氏による代表継続の挨拶が行われます。

代表の任期期間である向こう2年は、少子高齢化がさらに進むことに伴う社会保障制度や子どもの教育に関する課題がますます重要になってくることを念頭に置き、政治家として向き合っていきたい、とのこと。
直近では来年のG20首脳会議、2020年には東京五輪など国としても大きなイベントを控える中で、「与党として安倍内閣を支え、日本の未来を切り開いていく」と意気込みを力強く語りました。

また、災害に強い国・まちづくりをかねてから強調してきた公明党、西日本や北海道を襲った自然災害の被災者の方へのお見舞いや労いの言葉とともに、防災・減災対策に今まで以上に取り組んでいくことにも触れました。
さらに、これまでも力を入れていた日中交流、来年行われる消費増税分の使い道や増税の意義などにも言及。

最後に、来年行われる統一地方選、参院選での必勝の呼びかけでスピーチを締めました。

来賓挨拶には、安倍首相が登場!

山口氏の挨拶の後は、来賓による挨拶です。ニューヨークでの国連総会から帰国間もない安倍晋三自民党総裁が登壇。

挨拶冒頭では山口代表再選への祝辞や、「次の任期も自公で力を合わせて日本の明日を!」と称えました。
また山口氏同様に自然災害被災者へのお見舞いの言葉をきっかけに、復興・防災への取り組みや、増税に伴う軽減税率の話題、公明党が掲げていた高等教育の無償化などに触れ、自公で同じ方向を見ているんだ、というメッセージを発信しているようでした。

挨拶終盤では、自民・公明で意見の割れる平和安全法制について安倍氏自ら切り込みます。
「前(党員・代議員)に座っている方々、難しい顔してますが…(会場一同爆笑)」と厳しい反応も逆手に取る、安倍節を炸裂させていた様子が印象的でした。

「山口代表は私にとって必勝のパートナー」と話し、統一地方選、参院選ともに勝利を目指していこうと鼓舞してスピーチを結びました。

豪華な挨拶の後は、固めの報告や質疑タイム

ここでまでで、会の開始から30分強が経ちましたが、ここからは配布されていた

・幹事長報告
・政務調査会長報告

をもとに、国民の声をもとに見出された国家課題とそれに対する政策方針の報告が行われました。

笑いも起きていた先ほどの雰囲気とは一変、参加者のみなさんは真剣に2つの報告を聞き入ります。(後ろの方には、お疲れからか首をもたげる参加者もちらほら…)

計1時間ほど行われた報告の後に、全国の代議員を代表して6名による質疑に、山口氏、井上氏、斉藤氏の各人が答える時間が1時間弱設けられていました。

有権者目線で、実生活に基づいたものから国の大きな方針に関することまで鋭く問うていました。

地方選・参院選新人候補の熱意を受けて閉会

会の最後には、来年の地方選・参院選それぞれに新人候補として出馬予定の2名による挨拶が行われました。
2名の力強い宣言に、傍聴席からも応援の声が飛ぶなど、会場も熱気に包まれます。
高まる空気の中、山口氏の掛け声に続き、参加者も「エイエイオー!」と勝どきを上げて、党大会は幕を閉じました。

最初はどんなものかと気張って参加した党大会ですが、一部エンタメ要素もあり、和やかムードと、真面目さ・緊張感のほどよいバランス感が印象的でした。

党の方向性や選挙戦への勢いを外部に向けてアピールする意味合いもあると思いますが、個人的には代議員が直接党代表らに質問する時間もしっかり取られるなど、国民が感じている政治への課題感を政治家に直接ぶつけられる貴重な機会でもあるんだな、というのが新鮮でした。

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