号砲 県議選 16選挙区の構図⑦

◎対馬市区(定数1) 現職と新人 出馬準備
 自民現職の坂本智徳が5期目を目指すほか、元対馬市議で新人の入江有紀が無所属で出馬の準備を進めている。同市区は前回無投票で、8年ぶりの選挙戦になりそうだ。
 坂本は8月30日、自民所属の同市議らでつくる党六支部連絡協議会で「次回も出馬したい」と表明した。同協議会は今月12日、坂本の推薦を検討する予定だ。
 4期目は県議会副議長、自民県連幹事長の要職も務め、「なかなか対馬に帰れなかった」。後援会長が不在で、態勢づくりを急ぐ。「後援会長の人選が急務。今後は各地で集会を開きインフラ整備の実績を伝えていきたい」としている。
 一方、入江は旧厳原町議、同市議を1期ずつ務め、昨年の市議選で落選。直後から地域住民の要望に耳を傾け、対話を重ねるミニ集会を開き、これまで島内181集落のうち25集落を巡ったという。「自分で島を回る草の根選挙に徹する」として、政党への推薦願は出さない方針だ。
 今月内にも厳原町中心部に後援会事務所を構える予定。「無投票になると政治家は動かなくなる。地元にいて、市民の要望をすくい取る県議が必要」と訴える。

 ▽立候補予定者
坂本 智徳 64 自現(4)
入江 有紀 75 無新

◎南島原市区(定数2) 現職以外動きなく
 自民現職の中島浩介が「農水産業や医療・福祉、道路整備の課題に引き続き取り組む」と3選を目指す。ほかに南島原市議ら複数の名前が取りざたされているが、目立った動きはない。県議3期目だった6月の市長選で敗れた松島完は「全身全霊をかけて戦ったので、(次期県議選は)全く白紙の状態」としている。
 同市区は新市発足後の2007年以降、県議選で毎回、三つどもえの激戦が繰り広げられてきた。中島は「選挙戦になることを想定し、気を引き締めてやっていく」と話し、自民関係者や支援者らとの打ち合わせなど態勢づくりを加速させる。

 ▽立候補予定者
中島 浩介 52 自現(2)

◎南松浦郡区(定数1) 現職が再選を狙う
 自民現職の近藤智昭が再選を狙う。前回、6期目を目指して無所属で出馬し、一騎打ちに敗れた馬込彰は「出るか出ないか決めていない。周りの状況を見ながら考えたい」と態度を保留している。
 元私立高教諭の近藤は前回、自民公認や公明などの推薦を得て組織戦を繰り広げ、初陣を飾った。次期県議選へは「町と県、国との連携を取れる立場になった。国境離島新法が昨年施行され、地方を発展させるチャンス」と意欲。雇用創出などの問題について県政報告会などを重ねて有権者への浸透を図っていく。
 =文中敬称略=

 ▽立候補予定者
近藤 智昭 62 自現(1)

 【お断り】立候補予定者名簿の政党は衆院勢力順(自民=自、立民=立、国民=国、公明=公、共産=共、社民=社、無所属=無)。政党内は現職-元職-新人の順で、当選回数(丸数字)ごとに五十音順。所属は公認申請予定を含む。

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