米臨界前核実験 「核大国のおごり」 県内被爆者らが批判

新たな開発への警戒も

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 米国が昨年12月にトランプ政権下で初の核実験をしていたことが明らかになった10日、被爆者は、自国で核開発をしながら北朝鮮に核放棄を求める米国の姿勢を批判した。識者は「新たな開発に向けた性能試験」とみて警戒感を示した。
 「核大国のおごりだ」。核実験に抗議する長崎市民の会の山川剛代表(82)は「いかなる核実験も反対」とした上で「北朝鮮に核放棄を迫る一方で自国の開発を続けるのはフェアでない」と批判。「米国ファーストの考え方は米朝交渉にも世界にも損失だ」と懸念をあらわにした。
 県平和運動センター被爆連の川野浩一議長(78)は「性能がいい核兵器を持とうとする米国の意思があらためて表れた」と語気を強めた。
 長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の田中重光会長(77)は米国の姿勢を「北朝鮮を強権でねじ伏せるような態度」と非難。その上で「日本政府は北朝鮮だけでなく米国の核実験にも強く抗議しなければ」と訴えた。
 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)の鈴木達治郎センター長は「これまでのように保有する核兵器の信頼性を確認するための核実験でなく、新たな開発に向けた性能試験」と分析。国際社会の批判は必至とし「あくまで米国の核戦略指針に即した動きであり、今後も核体制を後退させる気はないのだろう」との見方を示した。