沖縄県秋季高校野球総評 二枚看板で古豪復活 沖水 走塁、小技も光る

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 高校野球の第68回県秋季大会は7日、コザしんきんスタジアムで決勝を行い、第2シードの沖縄水産が第4シードの興南を8―1で退け、14年ぶり10度目となる栄冠をつかんだ。決勝に進んだ沖縄水産と興南は第143回九州地区大会(10月20~25日、熊本県)に出場する。来春、甲子園球場で行われる春の全国選抜大会出場につながる九州大会。沖水が19季ぶり27回目、興南が2季ぶり29回目の出場となる。県勢は選抜大会から3年連続で遠ざかっており、期待がかかる沖水と興南を中心に、県秋季大会を振り返る。(嘉陽拓也)

◇6試合で2失点

 沖水は、今回は背番号は3番だったものの、1年からマウンドに立つ左腕・上原一帆と、背番号1の國吉吹がチームの柱。

 上原は今大会17回投げて被安打9で自責点0。國吉は22回で被安打4、自責点1で防御率0・409。連戦を見越して仕上げた2人を中心に今大会は6試合で2失点、対戦相手の攻撃力を抑え切った。

 打線は計36得点でチーム打率は3割1分9厘。塁に出れば盗塁で揺さぶりつつ、犠打で着実に進塁させる戦術を選び、アウトカウントが浅い得点機にはスクイズを決める。小技で相手の失策や野選を誘うなど、基本技術の高さと勝負どころでの強さが目立った。

◇興南、再び準優勝

 2年連続夏の甲子園に出場した興南は、全国を知るメンバーを中心に準々決勝までコールド勝ち。エースの宮城大弥がチームの中心となり準決勝では嘉手納打線を16奪三振。打線もチーム打率3割4分5厘で、全6試合で三振はわずか6つ。選球眼が光り、準決勝までは終盤前までに勝負を決めた。

 決勝は打撃で凡飛が目立ち、修正力を発揮できないまま、六回の守備で四球と想定外の失策や野選が続き、突き放された。

 高い前評判にも気の緩みはなかったが、県内での黒星でより気を引き締め、九州に臨む。

◇嘉手納、沖尚にも力

 3回戦で第1シードの浦添工業を破った嘉手納は爆発力ある打線が持ち味。守備の安定感もあったが、夏の沖縄大会に続き準決勝で興南に完封負けした。ただ、親泊泰誠や石川銀、平典士らを中心に攻守に安定感もあり、力はある。初戦で糸満に競り勝った沖縄尚学は4投手の継投策に加え、盗塁や犠打など技術の高さで勝ち上がった。準決勝は、夏の沖縄大会1回戦で勝利した沖水に0―1で競り負けたが、全員野球の粘りがあった。

◇コールド試合目立つ

 前回大会と比較して、コールドで決まる試合が多く、打点数も増えた。四球や暴投、失策で試合が動き、勝利が決する試合も多かった。冬のトレーニングで力と技術を付け、勝負どころで崩れない精神力が勝利の鍵になりそう。

 九州大会では、県内強豪に連勝して勢いづく沖水と、敗戦から奮起して立ち上がる興南の活躍に期待できそうだ。