GPSを活用した交通事故防止の取り組み
パイオニアと日産自動車、NEXCO西日本は、高速道路の安全・快適な利用のために、既存の情報提供システムの強化・補完を目的として、2009年1月よりITを活用した道路情報提供システムに関する共同研究を進めてきた。
その共同研究の成果として、GPSを活用した逆走報知ナビゲーションを開発。
日産純正カーナビゲーションシステムとして、2018年10月26日発表予定のフーガ ハイブリッドに世界初（日産自動車調べ、2010年10月現在）の技術として搭載し、その後他の車種にも順次採用していく予定である。
近年の大きな社会問題のひとつである高速道路上の逆走において、本ナビゲーションシステムは、ドライバーに対して音声と画像で注意喚起をおこなう、世界初の機能。
今回の開発にあたっては、作動状況確認のための実走をNEXCO東日本と中日本の協力を得て、全国の高速道路で実施している。
逆走報知ナビゲーションの概要
ナビゲーション内部のプログラムにより、車両情報（GPS位置、地図、車速など）に基づいた、逆走判定処理を行い、ドライバーに報知する。
基本的な処理としては、車両前方地図の分岐・合流に逆走判定エリアをリアルタイム生成し、その判定エリアを一度通過した後、再度エリアに進入することにより逆走を判断し、注意喚起のための報知を起動する。
サービスエリアやインターチェンジ、ジャンクション付近の分岐・合流点を逆走すると、音声および画像で注意喚起を発する。
これは、道路会社の保有する道路構造に関する知見と、自動車メーカーの保有するGPSナビゲーションに関する知見を合わせ、新たな逆走判定ロジックを開発し、市販のカーナビゲーションに実装可能な技術として実現している。
本機能は、プログラム処理の追加のみで実現可能なものとし、既存の地図データベース部分には変更を加えていない。
これにより、ナビゲーションの地図更新機能により新しい高速道路の情報が追加されても、追加の道路に対してすぐに同様の検知・報知が可能というのが大きな特徴と言えるだろう。
