欧州への飛躍が期待される「Jで躍動する若手ストライカー5人」

この夏、西村拓真がベガルタ仙台からロシアの強豪CSKAモスクワへのステップアップ移籍を果たした。

CSKAモスクワはCLの常連クラブであり、移籍が発表されてからわずか1ヶ月後にはレアル・マドリーと対戦。西村は出場機会こそ無かったが、前回王者を相手に番狂わせを演じたチームの一員として歓喜の輪の中にいた。

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そんな西村に続いて欧州クラブへの移籍が期待される日本人ストライカーを紹介する。

鈴木優磨

今季はクラブで序盤から主力を担い、良き手本として慕っていた金崎夢生がサガン鳥栖へ移籍してからはエースとしてチームを引っ張っている。

既にリーグ戦では目標に掲げていた2桁ゴールを達成し、ACL制覇へ突き進むチームの躍進を支えている。

魅力は闘志溢れる熱いプレースタイルと勝負強さ。ゴールへの執着心が強く、体でボールをゴールへとねじ込む。

世界中が注目するFIFAクラブワールドカップでのここ一番でのゴールと、その後のクリロナポーズは記憶に新しいだろう。

ジュニアから育ててもらったアントラーズへの愛は当然深いが、シーズン終了後に欧州からオファーが来ても何ら不思議ではない。

北川航也

ジュニアユースに所属していた時からその名は知られており、若くして清水の未来を担うと期待されてきた韋駄天ストライカー。

これまでのキャリアでは外国人と2トップを組むことが多いが、武器である相手ディフェンダーを置き去りにする天性のスピードと思い切りの良さで、どのようなタイプのフォワードとも抜群の連携を築いている。

今季は開幕からスタメンを張り、夏のドウグラス加入後もその地位は揺るがず、自身初のリーグ戦2桁ゴールを達成。

宿敵ジュビロ磐田に敗れた試合後に涙を流した熱い一面もあり、雪辱を誓った今年のホーム静岡ダービーでは2ゴール2アシストの大暴れで去年の借りを返してみせた。その翌日には日本代表に追加招集で初選出されるなど、今最も波に乗る男だ。

杉本健勇

大迫勇也を蹴落として19歳でロンドンオリンピックのメンバーにサプライズ選出された万能ストライカーも気付けばもう25歳。欧州へ挑戦するチャンスも今年が最後になるだろう。

昨シーズンはリーグ戦で22ゴールをあげ、日本代表にも継続して招集されるようになったが、今シーズンはここまでわずか4ゴールと大ブレーキ。

昨年2冠を達成したチームも大きく苦しみ、ユン・ジョンファン監督の進退も怪しくなり始めるなど、エースの不振の影響は大きい。

昨オフ、スペインからのオファーを断って残留したと伝えられるが、そろそろ環境を変えるべきなのかもしれない。187cmの大柄な体格は海外でも十分武器になるはずだ。

田川亨介

2月のリーグ開幕戦で開始直後に獲得したPKを自ら決め、今季のJリーグ第1号を記録するこれ以上ないスタートダッシュを飾った田川。

しかしその後はわずか1得点と波に乗れず、クラブが夏にフェルナンド・トーレスと金崎夢生を獲得してからは出場機会もほとんどなく、苦しい状況が続いている。

それでも年代別の日本代表ではエースを務め、東京オリンピックでも主力として活躍が期待されている。先月メキシコ遠征を行ったU-19日本代表では10番を背負い、U-19ブラジル代表から得点を奪った。

この夏にはレスター・シティFCからの関心が伝えられ、そのポテンシャルは世界中から注目されている。ジェイミー・ヴァーディを彷彿とさせるスピードスターは逆境を跳ね返せるだろうか。

鈴木武蔵

ジャマイカ人の父と日本人の母を持つ。武士を想像させる名前ながら、黒人の血を受け継いだ身体能力は日本人離れしており、高校時代の体力測定で行った垂直跳びでは、機械の上限を超えてしまい測定不可能となった逸話がある。

しかし、その特大なポテンシャルをサッカーではなかなか発揮できず、未完の大器と評されてきたが、活躍の場を長崎に移した今シーズンはハットトリックを達成するなど、潜在能力が発揮され始めている。

目標だった2桁ゴール達成も濃厚で、これからの活躍次第では、似たタイプがいないA代表への道も見えてくる。その前に、まずは最下位で苦しむチームをJ1残留へと導くことが至上命題である。

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