ナショナルズがマーリンズから救援右腕・ベアクローを獲得

ポストシーズン終了を待たずして主力クラスのトレードが成立した。日本時間10月11日、ナショナルズはマーリンズから救援右腕のカイル・ベアクローを獲得。一方のマーリンズは対価としてインターナショナル・ボーナスプール・マネー(金額不明)を獲得した。

ナショナルズが獲得したベアクローは、メジャー2年目の2016年にブレイク。75試合に登板して72回2/3を投げ、防御率2.85、被打率.176、奪三振率14.00という好成績をマークした。しかし、その後は課題の制球難が改善されない一方で奪三振率が年々低下し、それに伴って防御率も2017年が3.00、今季が4.20と悪化の一途。クローザーに昇格した今年6月には7セーブ、防御率0.00という見事なパフォーマンスで月間最優秀救援投手に選出されたものの、7月は防御率8.38、8月は防御率20.77、9月は防御率5.06と本来のピッチングを取り戻せず、チームからの信頼を失ってしまった格好だ。ナショナルズとしては復活に期待しての獲得ということになるだろう。

一方のマーリンズはインターナショナル・フリーエージェントの市場でビクトル・ビクトル・メサ、ビクトル・メサJr.、サンディ・ガストンの獲得を狙っているという事情がある。先日、マーリンズはライアン・リリーをレッズへ放出してインターナショナル・ボーナスプール・マネーを獲得したが、トレード前の時点でマーリンズが使用可能なインターナショナル・ボーナスプール・マネーは430万ドル(メジャー2位)。唯一、オリオールズだけがマーリンズ以上のインターナショナル・ボーナスプール・マネー(670万ドル)を有しており、2件のトレードによりオリオールズとの差を縮めたことになる。マーリンズにとっては、これらのキューバ出身の3選手を無事に獲得できれば、今回のトレードは成功を収めたと言えるだろう。

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