【素材技術で新市場に挑む シリーズ「EV化」企業編(5)】〈愛知製鋼〉インバータ用放熱部品を増産

鍛鋼一貫生かしモーター周辺部品開発

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 愛知製鋼(社長・藤岡高広氏)はEV化、自動運転、コネクテッドなど「百年に一度」と言われる自動車産業の大きな変化に対応し「次世代事業への布石」を次々に打ち出している。浅野弘明副社長は「中長期的には電動化が着実に進む。また、コネクテッド(情報端末としての自動車)、自動運転、シェアリング(自動車の所有意識の変化)という変化要因も大きく、当社の事業基盤もその波を大きく受ける」とみる。

 そのため、昨年カンパニー制導入とともに「モノづくり推進本部」を組織。今年1月から「モノづくり・未来創生本部」に改組し、次世代事業の着実な育成・強化を早期に具現化すべく「未来創生開発部」を新たに加えた。単なる研究開発だけでなく、将来のビジネスモデルを含めてより具体的に検討し、事業化に結び付ける狙いだ。

 そのうちEVなど次世代車に対しては「足元順調に生産拡大するHV・EV用向けパワーカード用リードフレーム(インバータ用放熱部品)のコンパクト化・高性能化への取り組みとEV向けの新磁石開発、モーター周りのアッセンブリー開発」(浅野副社長)などを中心に取り組んでいる。

 磁石開発では「従来品より磁力が3割強力で耐熱性の高い磁粉(第3世代マグファイン)の開発」(同)に取り組む。また、マグファイン磁石を使った「小型・軽量な高速モーターと、当社の鍛鋼一貫による高強度鍛造部品を組み合わせた加減速への高い耐久性を持つアッセンブリー製品を開発中」(同)。

 自動運転では、支援機能となる「磁気マーカーシステム」が具体化している。

 これは車載された超高感度磁気センサ(MIセンサ)が路上に配置したフェライト磁石を確実に感知し、悪天候やトンネル内でも自車位置を測定するもの。国土交通省や内閣府による公道の実証実験でも信頼性の高い結果が出て、認知度も高まっている。

 さらに、内閣府が今年6月に発表した「未来投資戦略2018」の「次世代モビリティシステムの構築」の項で、磁気マーカー敷設による環境整備を記載。「この戦略に合わせ同システムを普及させ、交通事故ゼロや過疎地・高齢者の安全な移動手段の確保に貢献したい」(同)とする。