中央アジア・カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から11日、国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられたロシアの宇宙船ソユーズに異常が発生、宇宙飛行士2人が緊急脱出する事態となった。ソユーズからの脱出事故としては、1983年9月の打ち上げの際に火災が起き、宇宙飛行士2人が脱出して以来の重大事態。
ソユーズに全面的に依存している国際宇宙ステーションの運営や各国の有人宇宙飛行計画への影響は必至だが、事故の過程で、ソユーズを運航するロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスが一時、打ち上げ成功を伝えていたことが分かった。ニュースサイト「メドゥーザ」が伝えた。
事故は打ち上げから119秒後に発生。切り離された1段目のロケットが本体部分と接触したとみられる。一方、ロスコスモスはツイッターで、打ち上げから287秒後の情報として「2段目が正常に切り離された」と報告。528秒後には「宇宙船は成功裏に目的としていた軌道に乗った。国際宇宙ステーションとのドッキングが待っている」と伝えた。ツイッターには7秒間のビデオ映像も付いていた。
その後、「異常事態」について報じたが、間違えたツイッターは少なくとも30分間にわたって放置されていたという。ロスコスモスはこのツイッターを削除したが、英国などの複数のジャーナリストがスクリーンショットを保存しており、ツイッターなどで報告していた。
メドゥーザはラトビアに本拠を置くロシア語のニュースサイトで、プーチン政権と距離を置いた報道で知られる。 (共同通信=太田清)