消石灰乾燥機増設へ

室工大チーム、年産400トン確立目指す

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生産力アップのカギを握る乾燥機。年内にも1基増設する=写真手前は既設の乾燥機

 室蘭工業大学と道内企業のチームは、家畜伝染病の消毒効果が長持ちし色の変化で効き目が分かる多機能消石灰の開発で、同大で稼働している製造プラントに乾燥機1基の増設を決めた。早ければ年内にも導入し生産効率を高め、来年度の大規模実証に向け年産400トン確立を目指す。

 従来の消石灰は粉末で飛散しやすく、消毒の効果が失われても見た目で判断できなかった。開発中の消石灰は効き目により色が青から赤に変わり、粒状にすることで効果が持続する。

 同大の製造プラントは今年1月に稼働し、日産2トン、年産400トンが目標。作業は大きく分けて粉末から造粒、乾燥、粒の大きさの選別がある。改良を重ね製造の歩留まりはほぼ100%に向上したが、熱風による乾燥に時間がかかる課題が浮上、解消に向けて容量220リットルの現行機に加え、2・3倍増の500リットル乾燥機を1基増設する。既に設計に入っている。

 同チームは年産400トンを実現させるとともに、得られた知見やデータを基に5倍の年産2千トンに拡大したプラントの実現に向けて指針とデータを収集する。

 1日に同大で行われた同事業の研究推進会議では、今年白糠町と宮崎県で始まった実証事業で屋外に散布した消石灰が、紫外線に弱い点が報告された。対策で改善の見通しだ。チームリーダーの山中真也准教授(粉体工学)は「チームの連携で課題は解決の方向で、来年度の大規模実証に向け順調に進んでいる。鳥インフルエンザや豚コレラ、口蹄疫(こうていえき)などの防疫に貢献したい」としている。
(粟島暁浩)