年俸880万で大成功、低コスト球団は… 12球団コスパNo1助っ人は誰だ【セ編】

DeNAのネフタリ・ソト【写真:荒川祐史】

本塁打王確実のDeNAソトは3300万円、中日ガルシアは5000万円

 2018年のプロ野球もレギュラーシーズンがほぼ終わり、セ・リーグは13日の中日対阪神(ナゴヤD)、パ・リーグは楽天対ロッテ(ZOZOマリン)の1試合ずつを残すのみ。同日にはクライマックスシリーズのファーストステージが始まり、ポストシーズンの戦いもスタートする。

 143試合を戦い抜き、長いシーズンがついに幕を閉じる。今季も数多くのドラマが起きたプロ野球だが、球界を盛り上げてくれたのが、助っ人外国人の存在。各球団で重要な役割を担った選手もいれば、開幕前に寄せられた期待ほどの結果を残せなかった選手も…。そして、シーズン途中に加入し、救世主のごとく活躍した選手もいる。

 果たして、今季プロ野球界でプレーした選手で、最もコストパフォーマンスが良かった助っ人は、どの選手だろう。今季の各助っ人の推定年俸と、今季の成績を振り返ってみたい。今回は広島が3年連続リーグ制覇を成し遂げたセ・リーグ編だ。6球団の全助っ人の成績は以下のようになる。

◯広島(計8人、6億9380万円)
クリス・ジョンソン(3億4500万円)
24試合11勝5敗0セーブ0ホールド 144.2回 防御率3.11

ジェイ・ジャクソン(1億1300万円)
48試合3勝2敗1セーブ25ホールド 45.2回 防御率2.76

ジョニー・ヘルウェグ(3300万円)
7試合0勝0敗0セーブ2ホールド 8回 防御率1.13

レオネル・カンポス(4500万円)
1試合0勝0敗0セーブ0ホールド 1回 防御率0.00

ヘロニモ・フランスア(880万円)
47試合3勝4敗1セーブ19ホールド 65回 防御率1.66

ブラッド・エルドレッド(1億1500万円)
38試合80打数17安打5本塁打14打点 .213 出塁率.330

サビエル・バティスタ(2200万円)
99試合273打数66安打25本塁打55打点 .242 出塁率.308

アレハンドロ・メヒア(1200万円)
22試合41打数11安打3本塁打7打点 .268 出塁率.318

◯ヤクルト(計6人、7億9550万円)
デービッド・ブキャナン(1億4000万円)
28試合10勝11敗0セーブ0ホールド 174.1回 防御率4.03

マット・カラシティー(7800万円)
32試合7勝3敗3セーブ1ホールド 94.2回 防御率4.18

デビッド・ハフ(1億4700万円)
35試合3勝6敗0セーブ7ホールド 94.1回 防御率4.87

ジョーダン・アルメンゴ(7800万円、途中退団)
1軍登板なし

ジェイソン・ウルキデス(1650万円)
5試合0勝0敗0セーブ0ホールド 5.1回 防御率5.06

ウラディミール・バレンティン(3億3600万円)
142試合514打数138安打38本塁打131打点 .268 出塁率.370

推定年俸4億円の巨人ゲレーロは15本塁打にとどまる

◯巨人(計8人、13億4300万円)
スコット・マシソン(3億5500万円)
34試合0勝3敗8セーブ14ホールド 33.1回 防御率2.97

テイラー・ヤングマン(8300万円)
4試合3勝1敗0セーブ0ホールド 26回 防御率2.77

アルキメデス・カミネロ(2億2200万円)
20試合1勝1敗11セーブ2ホールド 18.2回 防御率5.79

サムエル・アダメス(620万円)
28試合0勝2敗4セーブ3ホールド 32回 防御率3.94

クリストファー・クリソストモ・メルセデス(550万円)
13試合5勝4敗0セーブ0ホールド 92回 防御率2.05

アレックス・ゲレーロ(4億円)
82試合287打数70安打15本塁打40打点 .244 出塁率.325

ケーシー・マギー(2億6600万円)
132試合499打数142安打21本塁打84打点 .285 出塁率.336

ホルヘ・マルティネス(530万円)
19試合61打数11安打2本塁打5打点 .180 出塁率.242

◯DeNA(計6人、6億円)
エディソン・バリオス(2000万円)
14試合2勝5敗0セーブ0ホールド 54回 防御率3.33

スペンサー・パットン(1億3000万円)
58試合5勝1敗0セーブ33ホールド 56回 防御率2.57

ジョー・ウィーランド(1億3000万円)
16試合4勝9敗0セーブ0ホールド 92回 防御率4.99

エドウィン・エスコバー(5500万円)
53試合4勝3敗0セーブ13ホールド 53回 防御率3.57

ホセ・ロペス(2億3000万円)
110試合441打数127安打26本塁打77打点 .288 出塁率.314

ネフタリ・ソト(3500万円)
107試合416打数129安打41本塁打95打点 .310 出塁率.364

◯中日(計7人、4億8500万円)
ジョエリー・ロドリゲス(3000万円)
25試合0勝3敗1セーブ8ホールド 26.1回 防御率2.39

ディロン・ジー(1億2000万円)
4試合0勝3敗0セーブ0ホールド 27回 防御率4.00

オネルキ・ガルシア(5000万円)
27試合13勝9敗0セーブ0ホールド 168.2回 防御率2.99

ライデル・マルティネス(1500万円)
7試合1勝3敗0セーブ0ホールド 21.2回 防御率6.65

ソイロ・アルモンテ(5000万円)
131試合495打数159安打15本塁打77打点 .321 出塁率.375

スティーブン・モヤ(5000万円)
45試合92打数28安打3本塁打16打点 .304 出塁率.350

ダヤン・ビシエド(1億7000万円)
134試合510打数178安打26本塁打99打点 .349 出塁率.421

◯阪神(計6人、10億9500万円)
マルコス・マテオ(1億9000万円)
17試合0勝1敗0セーブ4ホールド 14.2回 防御率6.75

ディエゴ・モレノ(5700万円)
8試合0勝0敗0セーブ3ホールド 6.2回 防御率2.70

ランディ・メッセンジャー(3億5000万円)
28試合11勝7敗0セーブ0ホールド 173.2回 防御率3.63

ラファエル・ドリス(1億2500万円)
54試合1勝7敗31セーブ4ホールド 52.2回 防御率2.91

ウィリン・ロサリオ(3億4000万円)
75試合281打数68安打8本塁打40打点 .242 出塁率.285

エフレン・ナバーロ(3300万円)
66試合203打数56安打3本塁打25打点 .276 出塁率.342

 
 やはり際立つのは、広島のフランスアとDeNAのソトの活躍だろう。推定年俸880万円のフランスアはドミニカのカープアカデミー出身。シーズン途中に育成契約から支配下契約となり、広島のセットアッパーとして大活躍。47試合に投げて、防御率1.66。65イニングで81個の三振を奪い、シーズン終盤にはセットアッパーの座を確固たるものにした。

中日はセ・リーグ最安の助っ人総年俸5億弱

 今季加入したプエルトリコ出身のソトも外国人枠の関係でシーズン序盤はファーム暮らし。6月下旬から1軍に定着すると、わずか107試合で41本塁打95打点の驚異的な成績を残した。推定年俸は3300万円と高くないが、打率.310と高く、今季苦戦を強いられたDeNAにとっては最後までCSを争う原動力となったと言える。

 中日の新助っ人アルモンテも、推定年俸は5000万円ほど。ただ、開幕直後から打ちまくり、シーズン中盤にやや失速があったものの、打率.321のハイアベレージをマーク。中日打線で不可欠な存在となっていた。巨人で育成からシーズン中に支配下に昇格したメルセデスも先発として5勝をマーク。年俸550万円ながら、終盤は巨人の先発陣に必要な存在となった。

 チームで見ると、やはり優秀なのは中日か。推定年俸1億2000万円だったジーは右腕の血行障害で活躍出来なかったものの、同5000万円のガルシアがチームトップの13勝。打率.349でセ・リーグの首位打者が確実なビシエドも同1億7000万円と、驚くほど高いわけではない。助っ人計7人でも、推定総年俸4億8500万円はセ・リーグ最安。その中でガルシア、アルモンテ、ビシエドと3選手が大活躍したのだから、恐れ入る。

 高年俸で言えば、やはり真っ先に名前が挙がるのは阪神のロサリオ。球団助っ人史上最高額となる推定年俸3億4000万円で加入したが、打率.242で8本塁打。金本知憲監督が辞任した阪神が最下位に沈んだ一因だった。巨人も、昨季中日でプレーし、推定年俸4億円で獲得したゲレーロが、82試合で打率.244、15本塁打と完全に期待はずれ。マシソンも故障し、2億超のカミネロも今季は不振に終わった。

 球団別で見ると、中日が最も助っ人にコストをかけておらず、低コスト順にDeNA→広島→ヤクルト→阪神→巨人となる。これを見れば、助っ人補強に大枚をはたけばいいというわけではないことが、良く分かる。(Full-Count編集部)

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