明日からリーグ優勝決定シリーズ 勝ち抜くのはどこだ!?

いよいよ明日、リーグ優勝決定シリーズが開幕する。先陣を切るナ・リーグは中部地区王者のブリュワーズと西部地区王者のドジャースが対戦。一方、1日遅れで開幕するア・リーグは東部地区王者のレッドソックスと西部地区王者にして昨季の覇者であるアストロズが激突する。地区シリーズでホームフィールド・アドバンテージを有していたチームが順当に勝ち上がってきたため、リーグ優勝決定シリーズでは極めてハイレベルな戦いが繰り広げられることが予想されている。

地区シリーズでロッキーズをスイープしたブリュワーズは、0.64というチーム防御率が示すように投手陣が絶好調。失点したのは地区シリーズ第1戦でセーブに失敗したジェレミー・ジェフレスだけという状況だ。リーグ優勝決定シリーズ第1戦の先発はジオ・ゴンザレス。第2戦と第3戦に先発予定のウェイド・マイリーとヨーリス・チャシーンは地区シリーズでも安定したピッチングを見せているため、今季のポストシーズン初登板となるゴンザレスが好投するようであれば、一気に優位に立てるだろう。打線ではヘスス・アギラーとロレンゾ・ケインに元気がなかったのが不安材料だが、得点力不足に苦しむ様子は見られない。ラッキーボーイ的存在となっているエリック・クラッツにも注目したい。

一方のドジャースは3勝1敗でブレーブスを撃破。地区シリーズ第3戦に先発したウォーカー・ビューラーが5失点を喫したものの、それを除けば投手陣は総じて安定。地区シリーズ第2戦で8回2安打無失点の快投を見せたクレイトン・カーショウが先陣を切り、第2戦以降は柳賢振(リュ・ヒョンジン)、ビューラー、リッチ・ヒルの順に先発予定となっている。打線は打率こそ低いものの、両リーグ最多タイの8本塁打を放つなど効率よく点を取ることで低打率をカバーしており、それがブリュワーズの強力投手陣に対しても通用するかどうかが大きなポイントとなりそうだ。本来なら中軸を担うはずのコディ・ベリンジャーに全く当たりが出ていないのが気になるところ。

レッドソックスは同地区ライバルでもあるヤンキースを3勝1敗で破り、リーグ優勝決定シリーズに進出。108勝のレッドソックス、103勝のアストロズという極めてハイレベルな対戦が実現することになった。打線はJ.D.マルティネスを中心にまずまず機能しており、地区シリーズ4試合で打率.188に終わったムーキー・ベッツに当たりが戻れば得点力はさらに向上するはず。投手陣ではリーグ優勝決定シリーズ第2戦の先発を任されるデービッド・プライスとクローザーのクレイグ・キンブレルが精彩を欠いているのが不安材料。初戦先発のクリス・セールが崩れるようであれば、一気にシリーズの流れを持っていかれてしまうかもしれない。

インディアンスをスイープしたアストロズは、打線が打率.327、8本塁打、OPS1.037と絶好調。アレックス・ブレグマン、マーウィン・ゴンザレス、ジョージ・スプリンガーといった面々が猛打を振るっており、元気のないカルロス・コレアが復調すれば手のつけられない打線になりそうだ。ただし、スプリンガーは昨季のリーグ優勝決定シリーズで不振に陥っており、地区シリーズ同様の活躍ができるか注目したい。投手陣も実力は十分。リーグ優勝決定シリーズで第1戦に先発予定のジャスティン・バーランダー、第2戦に先発予定のゲリット・コールはいずれも地区シリーズで好投して勝利投手となっており、敵地での開幕となるリーグ優勝決定シリーズでも同様の働きが期待される。ワールドシリーズ2連覇に向けて、今のところ視界は良好と言えそうだ。

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