殺処分のネコ減らそう 猫カフェ増築へ支援続々

 長崎県佐世保市神島町の浜口動物病院に併設する猫カフェ「カフェニャンコプラス」が、保健所で殺処分されるネコを一匹でも減らそうと、増築を計画している。資金の一部をインターネット上のクラウドファンディング(CF)で募ったところ、約480万円が集まった。長崎県は全国的にネコの殺処分が多い。院長の濵口聡さん(51)は支援に感謝しつつ「命の大切さを知ってほしい」と願っている。

 カフェは2016年に開店。院長の妻、かほるさん(51)がオーナーを務める。佐世保市保健所から子ネコを引き取り、現在25匹を飼育しているほか、里親を募集している。これまでに約70匹を引き取り、約50匹の里親を見つけた。

 動物病院を併設する特徴を生かし、生後2カ月ほど院内で育て、健康状態を整えたり、人になれさせたりしてカフェに移す。客はガラス越しに眺めたり、触れ合いスペースで遊んだりできる。

 長崎県などによると、長崎県は16年度のネコの殺処分数が2740匹で全国最多。佐世保市は長崎市に次いで多く、2017年度に佐世保市保健所が引き取った数は564匹で、うち483匹が殺処分された。

 増築では触れ合いスペースを1・5倍の約30畳に広げたり、子ネコを育てる場所(約3畳)を設けたりするための費用約600万が必要となり、7月にCFで支援を募った。9月末までに391人から481万3千円が集まった。不足分は自ら負担する。

 工事は来年2月ごろに始め、春に完成する予定。濵口さん夫婦は「一匹でも多くのネコが、新しい家族に温かく迎えてもらえるよう頑張りたい」と話している。カフェは中学生から入場可能。保健所以外からの引き取りはしていない。問い合わせはカフェ(電0956・22・0222)。

「カフェを増築し、殺処分されるネコの命を救いたい」と話す濵口さん夫婦=長崎県佐世保市、カフェニャンコプラス

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