「国際ガールズデー」企業13社がコラボ参加

バングラデシュより来日したシーラさん(中央)や、歌手の一青窈さん(左から2人目)らがトークイベントに登壇した(10月11日、都内で)

国際NGOプラン・インターナショナル(以下プラン)は「国際ガールズ・デー」の10月11日、都内でトークイベントを開いた。このガールズデーは、性別や年齢によって二重の差別を受ける途上国の少女に焦点を当て、その解決に向け世界各国で啓発を訴える取り組みだ。日本ではこの日を中心に、バーニーズ ジャパン(東京・渋谷)など13の企業が賛同し、都内で映画上映や写真展などのキャンペーンイベントが展開された。(オルタナ編集部=堀理雄)

10月11日の国際ガールズ・デーは、子どもの権利や貧困問題に取り組むプランが国連に働きかけて制定されたもので、2012年から毎年、各国で取り組みが行われている。

今年のテーマは「早すぎる結婚」だ。国連人口基金によれば、途上国では3人に1人の少女が18歳未満で、9人に1人の少女が15歳未満で結婚しているとされており、女性の健康や妊産婦の死亡率に大きな影響を与えているといわれている。

11日のトークイベントでは、結婚式直前に家から逃れた経験を持つバングラデシュ人のシーラさん(19)が登壇。シーラさんが14歳の時、父親が大きなけがをし、早すぎる結婚を迫られた。

経済的にも学校に通うことが難しい状況だったが、プランの支援を受け、同団体が運営する教育センターで小さな子どもに勉強を教えながら、自身も学び続けた。シーラさんは「教育を受けた女の子がどれだけ力を持っているか示したい」と力を込めた。

国際ガールズ・デーの趣旨に賛同した歌手の一青窈さんも登壇し、「まず(現地の状況を)見て感じることを通じて、自分が動くきっかけにしてほしい」と話した。

今回のイベントの特徴の一つは、企業との協働だ。トークイベントの会場となった高級衣料・雑貨店「バーニーズ ニューヨーク六本木店」を運営するバーニーズ ジャパンは、国際ガールズデーへの賛同のほか、3月8日の国際女性デーにもジェンダー平等に関する取り組みを行っている。

同社ウィメンズPRの山本有衣さんは「ファッションに関心を持ち店舗に来るお客さまや、弊社で働く社員は比較的女性が多いということもあり、女性と男性がともに活躍できる社会を目指す活動を行っている。2つの記念日とも存在自体を知らない人が多く、今後も継続的に活動を続けていきたい」と話した。

プラン広報マーケティング部広報チームの平田泉さんは、「NGOは人や資金に限りがある。企業との協働でイベントの面的な広がりや深みを出すことにつながる一方、企業としても社会に向けた発信の機会にもなるのではないか」と期待する。

トークイベントはバーニーズ ニューヨーク六本木店の店内で開かれた

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