打線は鷹、投手はハムがやや有利か パ・リーグCS1stを対戦成績から占う

ソフトバンク・工藤監督(左)と日本ハム・栗山監督【写真:荒川祐史】

打線ではホークス柳田が4割近い打率、ハムは渡邉&清宮の起用法がカギ?

 クライマックス・シリーズ(CS)の展開を予想するうえで、最も重要な要素は、言うまでもなく、今年の両軍の対戦成績だ。

 今季の対戦成績は、ソフトバンク12勝(106得点)、日本ハム13勝(111得点)とほぼ互角。しかし、CSファーストステージは、2位ソフトバンクの本拠地ヤフオクドームで行われる。この球場での勝敗に限定すればソフトバンク7勝(48得点)、日本ハム5勝(28得点)とソフトバンクにホームゲームのアドバンテージがある。

 しかもソフトバンクは、後半戦に日本ハムに7連勝した。自信をもってCSに臨んでいるという心理的なアドバンテージはある。

 主要な打者の対戦成績。通算安打数上位12人。

◯ソフトバンク打者の日ハム打撃成績

柳田悠岐 87打34安5本17点3盗 率.391
内川聖一 76打25安2本10点0盗 率.329
中村晃 84打24安4本15点0盗 率.286
松田宣宏 99打24安6本14点0盗 率.242
デスパイネ 83打22安5本12点0盗 率.265
上林誠知 100打18安1本6点2盗 率.180
牧原大成 57打18安1本6点4盗 率.316
今宮健太 56打15安2本5点0盗 率.268
グラシアル 36打13安4本12点0盗 率.361
甲斐拓也 53打8安2本3点0盗 率.151
川島慶三 23打8安1本4点0盗 率.348
福田秀平 7打2安0本0点4盗 率.286

 主砲の柳田が4割近い打率を残している。ベテランの内川も3割をマーク。松田は打率は低いがチーム最多の6本塁打。下位に置けば怖い存在になるだろう。最近上位を打っている上林は日ハム戦では数字を残していない。

 ポイントは外国人の起用になろう。後半、デスパイネの代役を務めたグラシアルが4本、打率.361とよく当たっている。この選手がキーマンになるかもしれない。

◯日本ハム打者のソフトバンク打撃成績

西川遥輝 93打30安3本14点6盗 率.323
中田翔 95打26安5本17点0盗 率.274
レアード 82打18安5本8点0盗 率.220
近藤健介 76打17安0本4点1盗 率.224
中島卓也 66打14安1本7点1盗 率.212
渡邉諒 32打12安4本5点0盗 率.375
大田泰示 50打10安3本6点0盗 率.200
アルシア 49打10安4本7点0盗 率.204
清水優心 33打10安2本5点0盗 率.303
横尾俊建 36打9安1本5点0盗 率.250
鶴岡慎也 35打6安0本1点0盗 率.171
清宮幸太郎 35打6安4本9点0盗 率.171

 リードオフマンの西川が良く打っている。四球も多く出塁率は.442にもなっている。日本ハムでは意外な打者がソフトバンク戦で活躍している。2013年のドラ1渡邉諒が4本塁打、打率.375、そして清宮幸太郎は6安打しかしていないが、そのうち4本が本塁打。このあたりをどう使うかがカギだろう。

ホークスの初戦先発はミランダ、ハム救援は石川と宮西が好成績

◯ソフトバンク先発候補の日ハム戦戦績

ミランダ 1試1勝0敗6回2/3 防御率0.00
千賀滉大 2試1勝1敗13回2/3 防御率2.63
東浜巨 3試1勝1敗19回1/3 防御率3.72
武田翔太 5試1勝2敗29回 防御率3.72
中田賢一 6試1勝0敗19回2/3 防御率3.66
バンデンハーク 4試1勝2敗20回2/3 防御率8.27

 終盤、最も調子が良かったミランダに初戦の先発を託す。以下、千賀、東浜の順と発表されている。ミランダは9月23日の日ハム戦では6回2/3で4四球を出したが1被安打、自責点0と好調だった。

◯日本ハム先発候補のソフトバンク戦戦績

上沢直之 6試4勝2敗45回 防御率2.20
マルティネス 4試1勝2敗29回 防御率1.86
加藤貴之 4試1勝1敗16回2/3 防御率7.02
有原航平 4試2勝2敗23回 防御率7.43
高梨裕稔 4試0勝2敗19回2/3 防御率9.15

 上沢は4勝。そして1勝しかしていないがマルティネスは防御率が1点台、2人の実績がずば抜けている。この2人が軸になるのは間違いないところだ。

◯ソフトバンク救援投手陣の日ハム戦績

石川柊太 7試3勝1敗0S2H 15回2/3 防御率2.30
嘉弥真新也 15試0勝0敗0S5H 7回1/3 防御率1.23
加治屋蓮 15試0勝1敗0S6H 11回2/3 防御率5.40
森唯斗 12試0勝2敗4S1H 11回1/3 防御率7.94

 石川は8月に救援に回ってからは好投。3勝1ホールドはすべて救援で挙げたものだ。ワンポイントの嘉弥真も数字を残しているが、加治屋と新クローザーの森が打ち込まれているのが気になるところ。ソフトバンクは武田など先発陣も救援に回すと考えられる。

◯日ハム救援投手陣のソフトバンク戦績

石川直也 7試1勝0敗5S1H 7回 防御率1.29
宮西尚生 8試0勝1敗0S7H 8回 防御率2.25
公文克彦 12試0勝0敗0S3H 9回 防御率4.00
トンキン 8試1勝1敗1S5H 7回2/3 防御率5.87

 シーズン途中でクローザーをトンキンと交代した石川が5セーブ1ホールド。セットアッパーの宮西も7ホールドと実績を残している。救援陣は日ハムがやや有利か。

 打撃ではややソフトバンク優勢、投手では日本ハムが少し優位だが、ソフトバンクのホームゲームであることがどう影響するかも見逃せないところだ。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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