がんを知る無料講座 東名厚木病院が開催

 乳がんの早期発見などを啓発する毎年10月のピンクリボン月間に合わせ、東名厚木病院(厚木市船子)は13日、がんを知る無料公開講座を開いた。病気への理解を深めてもらおうと企画した試みで、放射線治療室の見学会や医療用のウィッグ(かつら)の展示も実施。病院の運営に当たる三思会(さんしかい)の主催で、約80人が来場した。

 講座では、同病院の外科医の神山公希さんが「治療を受けない人にも知ってほしい“がん治療”の話」、管理栄養士の五十嵐忍さんが「食事と栄養のヒント」をテーマに講演。神山さんは、がん治療での利点と欠点を分かりやすく解説し、「他人と同じ病名や手術、治療でも経過は人それぞれ」と強調。生活の質の改善などを目指す緩和医療の重要性も説いた。

 五十嵐さんは、がん治療で食欲が低下した際にも体重を維持するための食事の取り方を説明。「家族の『もっと食べて』と言う言葉が本人を追い詰めることがある。食べたい時に食べたいものが食べられるよう寄り添った支援を」と呼び掛けた。

 院内では、がんの治療に伴う外見の変化に対応するウィッグや女性向け下着の展示、効果的に栄養が取れる食品の試食コーナーなども用意。また、医師などに相談できる交流会も併催された。 

がんを題に開かれた東名厚木病院の無料公開講座=厚木市船子

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