里親制度に理解を 里子が横浜で体験談語る

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 里親制度への理解を深めてもらおうと、「よこはまポートファミリー啓発講演会」(横浜市主催)が13日、横浜市中区の市開港記念会館で開かれた。制度についての解説に続き、里親家庭で育った里子の体験談などが行われ、約60人の参加者は、里親制度に強い感銘を受けていた。 

 2017年3月末現在、社会的に養護を必要とする児童は全国で約4万5千人。子どもの成長には、児童養護施設などでの施設養護よりも、里親制度などによる家庭養護が望ましいとされているが、里親に委託された児童は5190人に止まっている。

 講演では、市南部児童相談所の元所長で、児童養護施設「日本水上学園」前園長の松橋秀之さん(66)が里親制度の意義を解説。国連の指針でも、国の新社会的養育ビジョンでも、家庭養護が求められているとし、「子どもたちを皆で育てることが必要」と、里親への理解、協力を呼び掛けた。

 体験談では、2歳で里子になった短大1年生の女性(19)が「普通の家庭で、家族として育ててもらったことがありがたい」と、里親への感謝の言葉を重ねた。学校生活との関係でも、普通の家庭で育ったことは大きかったと述べ、「子どもたちのために里親が増えてほしい」と訴えた。

 また、里親家庭の実子の会社員男性(24)は「入れ替わり20人くらいの里子と一緒に暮らしたが、みな慕ってくれて、とても仲の良い友だちになった」と、家族の素晴らしさを伝えた。実子に恵まれず、5歳の女児の里親になっているという女性も「夫婦2人の生活から、子ども中心の生活になり、子育てを楽しんでいる」と、里親になった喜びを語っていた。

里親制度の意義を語る松橋秀之さん=横浜市開港記念会館