大分・耶馬渓の山崩れ 地下水集中 想定の2.5倍 鹿大調査 岩盤浸食し崩落か

大分県中津市耶馬渓町で今年4月、6人が犠牲になった大規模山崩れで、崩壊した斜面の地下水の流量が、地形から想定される一般的な流量の約2・5倍に上ると推測されることが、鹿児島大の研究チームの調査で分かった。一帯は地下水が集まりやすい構造で、研究チームは岩盤が地下水に浸食された結果、崩落につながったとみている。

調査した鹿大の地頭薗隆教授(砂防学)は「九州では近年、地下水による山崩れが増えており、今回もそのケースに当たる」と指摘している。

地頭薗教授によると、5月上旬に始めた調査で斜面から湧き出ている地下水を調べたところ、毎秒0・55リットルを計測。地形や地層などの条件がほぼ同じ鹿児島県南大隅町のデータと比較したところ、流量は約2・5倍だった。崩落現場周辺でも地下水量の多い地点が複数見つかり、その後も流量に目立った変化はないという。

崩落した斜面は台地のへりに位置し、雨水がたまる地形ではないといい、地頭薗教授は「地下の地形に沿い、恒常的に広範囲から地下水が集まる地層構造」と分析。「現在の災害対策は雨量が基準で、地下水は考慮されていない。地下水による災害の予測方法を確立したい」としている。

県の専門家委員会は8月、地下水位の上昇が今回の崩落の原因とみられるとの中間報告をまとめている。

=2018/10/14付 西日本新聞朝刊=

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