ソフトB武田ほえた!満塁斬り「心臓が飛び出ていたかも」 完全救援星

◆パ・リーグCSファーストステージ:第1戦 ソフトバンク8‐3日本ハム(13日・ヤフオクドーム)

リリーフにとって極めて厳しい状況だった。4回1死。4点リードながら、先発ミランダが2者連続押し出し四球を与え、なお全ての塁が埋まっていた。「満塁で出て行くのは初めて」。武田は久しくなかった胸の高鳴りを感じた。

一発同点の場面。大田への初球を直球で入ることも考えたが、甲斐の「初球から振ってくる」という助言でスライダーを選択した。「ボールでもいい。とにかく低めに」。打ち気にはやる相手のタイミングをずらし、三ゴロに仕留めた。

続く近藤を直球で追い込み、最後はフォークを内角にたたきつけるように投げた。「しつこいぐらいに低めを意識した」。バットが空を切ると、雄たけびを上げ、グラブを右手で力強くたたく。クールな右腕が珍しく感情をあらわにした。

2回の攻防を終えたところで準備を始めていた。「とにかく全力だった。点差がなかったら心臓が飛び出ていたかも」。2回2/3で一人の出塁も許さず、背番号18の興奮は冷めない。先発だった昨年の楽天とのファイナルステージ第5戦に続いて、年またぎのCS2戦連続白星だ。

苦しいシーズンだった。開幕ローテーションに入り、3完封を記録しながら、自己ワーストの9敗。黒星が重なって「今年はそういう年」と歯がゆさをのぞかせた。シーズン中盤以降はプロ7年目で初めて中継ぎへの配置転換も経験。模索を続け、コーチらと話をする中で、筋肉量の不足で直球の威力が弱まったと分析した。

原因が分かればすぐ対策を始める。9月下旬、自宅に最新鋭のウエートトレーニング機器が届いた。「効果が出るには5カ月はかかる」。既に来季の再起を期して肉体改造に着手している中、好救援でスポットライトを浴びた。「先発ではいい結果を残せなかったから、少しでもチームの力になりたい」。“みそぎ”を果たすチャンスは、今年中に残っている。 (鎌田真一郎)

=2018/10/14付 西日本スポーツ=

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