繁忙期過ぎた公共事業 中通り 2018ふくしま知事選/地域は今(中)

 知事選告示後初の週末を迎えた十三日、須賀川市の中心市街地で立候補者が政策を訴えた。市中心部では東日本大震災で被災した施設跡地に市が復興の象徴として建設した市民交流センターが来年一月の開館を控える。震災に伴う大型公共施設の整備作業が相次いで終わる中、県内経済の先行きを不安視する有権者は多い。

 震災と東京電力福島第一原発事故の発生後、県内の建設関連産業は復興事業で繁忙を極めた。中通りでは仮設住宅、大規模公共施設、災害公営住宅などの建設ラッシュとなった。生活圏などの放射線量を低減させる除染は一大事業となった。

 しかし、中通りの市町村発注の公共工事の発注高は近年、減少に転じている。二〇一七(平成二十九)年度は千百八十六億八千二百万円と、震災後のピークとなった二〇一四年度と比べて千八百四十九億一千八百万円(60・9%)減った。

 国の財源で市町村が行う除染が終わり、災害公営住宅も七月末現在、整備予定四千八百九十戸の96・3%が完成した。建設業界の関係者は公共工事が縮小されていた震災前の状況への回帰を懸念する。

 県建設業協会は県に対し、老朽化した道路や橋りょうの補修などの計画的な発注を求めている。ただ、公共事業の大幅増は見通せないのが実情だ。

 除染事業や災害公営住宅建設などに関わってきた三春町の渡伝組は今後の受注減を見据え、新たな分野として大手企業と連携し、価格を抑えた民間向けの住宅販売に乗り出した。社長の影山吉則(60)は「生き残りを懸けて経営努力を続ける。県には住宅取得税の減免などで後押ししてもらいたい」と訴える。

 県都・福島市では復興道路として東北中央道が整備され、福島大笹生−米沢北インターチェンジ間が二〇一七年十一月に開通した。市中心市街地では今年一月に大原綜合病院の新病院が開院し、二〇二一年度には福島医大の新学部開設が予定されている。駅前の再開発ビルの計画が進められるなど新たな人や物の流れが生まれつつある。

 一方、市内の小規模事業者は厳しい状況にある。経済センサス活動調査に基づく県調査によると、市内の建設業や卸・小売業、宿泊・飲食業などの小規模事業者数は震災前の二〇〇六年の八千二百十六社に対し、二〇一二年は七千百九十三社と千二十三社(12・5%)減少した。風評や人口減による売り上げの減少、後継者不足などの課題が山積する。

 福島商工会議所専務理事の石井浩(63)は「次の知事には中小企業の事業承継支援や新産業創出に取り組んでほしい」と求める。

 県内の経済発展に向け、内堀雅雄は新技術開発や取引支援、人材育成などによる中小企業支援や地域産業の事業承継を訴えている。

 町田和史は住宅リフォームや商店リニューアルへの助成金制度の創設など中小企業支援策を打ち出している。

 金山屯は郡山市への県庁移転を軸とした新たな経済圏の確立、高橋翔は起業家支援による産業活性化策を訴えている。(文中敬称略)

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