「平成新山の火」消える 島原の普賢岳災害復興シンボル

 長崎県島原市が雲仙・普賢岳の噴火災害の復興のシンボルとして、1997年8月に市中心部に設置したモニュメント「平成新山の火」の中央部のガス灯の火が、台風の影響で消えたことが13日分かった。溶岩ドームから採火しともし続けてきたが、種火もなく、再びともすことは難しいという。
 市によると、台風24号通過後の4日に消えたことを確認した。溶岩塊のモニュメントは上の町の旧庁舎そばの広場に設置。中央部にガラスで囲んだランプに都市ガスで火を継承してきた。ランプには外気を取り込む通気口があり、台風の影響で消えたとみている。
 同様の火は旧庁舎にもあったが、昨年3月に始まった市庁舎建て替え工事に伴い、保管を取りやめていた。吉田信人市市民安全課長は「専門家の話では溶岩ドームからの採火は難しく、再び火をともすことは困難。別の形で対応を関係者と協議していきたい」と話した。

中央部のランプから火が消えた「平成新山の火」のモニュメント=島原市上の町

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