有毒「セアカゴケグモ」 神栖定着か、発見相次ぐ

農地でも、注意呼び掛け

鹿島臨海工業地帯で見つかった「セアカゴケグモ」(神栖市提供)

神栖市内で今年、特定外来生物に指定されている有毒のクモ「セアカゴケグモ」の発見が相次いでいる。市内で初めて確認された2013年以降、コンビナート内や工業団地周辺で見つかるケースが続いたが、今年10月には初めて農地で見つかった。これまでに被害は確認されていないものの、生息が定着している可能性もあり、市は「今後、市内全域で発生する恐れがある。発見しても不用意に触らないように」と注意を呼び掛けている。(鹿嶋支社・関口沙弥加)

■5年で20匹超

セアカゴケグモが市内で最初に確認されたのは13年1月。県内初の発見だった。東部コンビナート(同市東和田)内の資材置き場から、雄と雌それぞれ2匹ずつ計4匹と、卵のう5個が見つかった。同年は3月と7月にも、波崎工業団地(同市砂山)周辺で発見されたが、16年までに毎年1、2匹見つかっている。

今年は9月12日に同工業団地でセアカゴケグモに類似するクモが発見されたのを皮切りに、同29日〜10月1日までの間、神之池西部工業団地(同市東深芝)と神之池東部工業団地(同市東和田)で雌3匹が見つかった。このほか、同市鰐川で農作業中だった市民が、畑のビニールハウスの外側に張り付いていた雌1匹を発見。市内では13〜18年までの5年間で、20匹を超える個体が南北約10キロの範囲で確認されている。

■条件がそろう

環境省や国立環境研究所によると、セアカゴケグモが国内で初めて発見されたのは1995年。大阪府内だった。今や北海道から沖縄県まで全国各地で確認されており、今年8月末現在で確認されていないのは青森、秋田、長野の3県しかない。

県内では、神栖市のほか、守谷市でも見つかっている。セアカゴケグモは、港湾地域やそれに隣接する地域で多く見つかっていることから、コンテナなどに付着して外国から入ってきた可能性がある。

温暖な気候を好み、側溝のふたの裏や花壇周囲のくぼみや穴など隙間に営巣。神栖市は、港や工業地帯があり、年間を通じて寒暖の差の少ない比較的温暖な土地柄のため、繁殖して定着する条件がそろっている。

県自然博物館(坂東市)の担当者は「繰り返し確認されており、定着の可能性もある」と指摘する。

■触らず駆除を

セアカゴケグモで毒性があるのは雌のみで、おとなしく攻撃性は低いとされる。ただ、かまれると痛みやかゆみを感じ、発熱や発汗など、運動神経や自律神経に症状が出ることもある。軽症で済む場合が大半とされるが、子どもや高齢者などは重症化するケースもあるという。

同館や市は、発見時の対処法として、ピレスロイド系の家庭用殺虫剤を散布▽皮膚に触れないように靴などで踏み潰す▽熱湯をかける-などを挙げる。市は「屋外で作業する時は軍手や手袋を着用し、見つけた際は素手で触らないように駆除してほしい」と呼び掛けており、「個体の確認をするため駆除後は市などに連絡を」としている。

★セアカゴケグモ
オーストラリア原産で、毒を持つ雌の体長は1センチ前後。全体が黒く、背中に赤い模様があるのが特徴。暖かい場所を好むため冬は活動が低下するが、自動販売機の裏や側溝などに潜んでいる可能性もある。

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