郷土の名建築、愛着深める 山形・「文翔館の日」講演や見学会

 山形市の文翔館で13日、「文翔館の日」イベントが開かれ、講演や館内見学会、体験コーナーなどを通じ、来館者が大正初期に誕生した市中心街を代表する建築物に親しんだ。

 時計塔見学や人力車乗車体験、オリジナルストラップ作りなどの各種企画が用意された。講演会は、田原新之助先生顕彰・研究会を主宰する吉野一郎さんが「文翔館の設計者・田原新之助の生涯」と題し話した。

 田原(1876~1916年)は東京生まれで、鹿鳴館設計で知られる英国人建築家ジョサイア・コンドルに師事。1911(明治44)年の山形市北大火で県庁舎焼失後、県工師として現文翔館・議場ホールの設計、監督を担った。16(大正5)年の落成から約2カ月後に他界した。

 吉野さんは、階段などにあるハート型の透かし彫りや渡り廊下などの「米印」文様に着目し、田原のコンドルに対する敬意と推論。工期中に起きた馬見ケ崎川氾濫などの困難も示し「郷土の文化財を知ることで、静かな誇りが醸し出されるのではないか」と問い掛けた。

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