「読む」「書く」育むNIEタイム きょう15日から新聞週間

NIEタイムで真剣にワークシートに取り組む大槌学園5年1組の児童

 新聞週間が15日始まった。報道の使命と責任を自省・自戒する機会とするほか、報道の機能と役割を再確認してもらうことを目的に1948年に創設され、今年が71回目。本県では7月に「新聞と歩む 復興、未来へ」をスローガンにNIE全国大会が開かれ、学びの充実に対する新聞の有用性を広く発信した。メディアが多様化する中、従来から新聞に親しみを感じている世代のみならず、幅広く頼りにされ活用してもらえる存在を目指して、読者に寄り添った模索が続く。

 NIE全国大会盛岡大会で公開授業を行った大槌町の大槌学園(松橋文明学園長、児童生徒617人)は全校でNIEに取り組み、5~9年生(小学5年~中学3年)は毎週金曜日の朝学習をNIEタイムとして地域を考え、読む力、書く力を育んでいる。

 NIEタイムは10分間。新聞社や教諭が作ったワークシートを使う。裏面には大槌町を扱う記事を印刷し、児童生徒が古里に理解を深めるように工夫している。

 5年1組の36人は5日、「ながらスマホ」の自転車が歩行者を死亡させた事故の解説記事を取り上げた岩手日報の小学生向けワークシートに取り組んだ。いつもより長めの約1200字の記事。担任の赤崎公宏(きみひろ)教諭が難しい言葉を解説し「みんなで、やってみよう」の合図に従って児童は真剣に活字を追い、問題を解いた。

 答え合わせでは次々に手が挙がった。記事の要約、事故件数、危険性、識者の指摘など、しっかり読み取り、元気よく答えた。

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