ズバ抜けた演奏技術を持ちながら、難しいことは抜きにしたエンターテインメント性溢れるパフォーマンスで、子供からお年寄りまで世代を超えて魅了するピアノトリオバンド”H ZETTRIO”。
昨年に引き続き「秋の大感謝祭」と銘打たれた最高のエンタメショーが、今年も様々な趣向をこらして神奈川は相模女子大グリーンホールで開催された。
今年は上下2段、グランドピアノとキーボード、ドラム2台、ウッドベースとエレキウッドベースという計6楽器が設置されたステージでH ZETTRIOの3人が入れ替わり立ち代わり楽器を引き続けるという、その技術力を活かした斬新なパフォーマンスが繰り広げられた。
会場となった神奈川県は、日本の名曲を独創性溢れるアレンジでカバーするH ZETTRIOの冠番組「SPEED MUSIC - ソクドノオンガク」(tvk)が毎週放送されている地域であり、誰もが知る名曲がまったく新しい解釈でアレンジされ、「知っているのに初めて聴いた曲」として新しい命を吹き込まれて演奏されるこの番組は、放送開始以来高い人気を誇っている。
H ZETTRIOはこの日、今までに放送された全11曲をメドレー形式で演奏し、それらの名曲の魅力を改めて提示した。テレビで聴いた数々のメロディーを目の当たりにした観客からは歓声とともにある種の嬉しいため息がもれた。
またコンサート中盤では昨年に続いて、パフォーマンス集団POI LAB(ポイラボ)とのコラボレーションが行われた。ニュージーランド発祥のジャグリングツール、ポイに光や映像を組み合わせたPOI LABのパフォーマンスとH ZETTRIOの音楽、そしてサイリウムによる3色の光に包まれた客席の三者が一つとなって作り上げた幻想的な空間には、興奮と熱狂と笑顔が溢れた。
この日、POI LABとのコラボレーションで披露された新曲“Journey”が来年に配信シングルとして発売されることも明らかになった。この新曲はH ZETTRIOらしい軽やかなメロディーの中でリズムが疾走するポップナンバーとなっており、次に聞けるのは来月11/16(金)東京・福生市民会館から始まるホールツアーとなるので、ぜひこちらもチェックしていただきたい。まだまだ年内はH ZETTRIOの動向から目を離せなそうだ。
photo:Yuta Ito