夜景の名所も 採算取れないバス路線 地元民がPR

 横浜市都筑区のセンター南駅から二の丸を経て仲町台駅に至る、市営バス318系統。運行開始から丸1年、沿線住民の足として役立っているが、採算が取れず補助金で運行を維持する横浜市生活交通バス路線に位置付けられる。都筑区は沿線マップ作成や子どもたちが描いた市営バスPRのポスターを展示するなど、利用者増のてこ入れに乗り出した。

 市営バス318系統は2017年10月に運行を開始した。前身は市生活交通バス路線の308系統で、住民から「便数が少なく不便」との声を受けて平日1日19便を27便に増便、区間も変更して318系統として再出発した。同時に、不採算路線だった310系統(センター南駅~川和町~仲町台駅)が廃止された。

 運行開始から1年。沿線住民から「便利になった」との声がある一方、年間利用客は延べ約16万5千人で「黒字化にはまだ遠い状況」と市交通局の担当者は話す。

 そこで地元の都筑区が、利用者増を図るPRに手を貸した。318系統の沿線マップ作成と、区内3小学校の子どもたちが描いた市営バス利用を呼び掛けるポスター掲出の二段構えだ。

 マップは携行しやすいA4判で、バス停周辺の名所や飲食店、野菜直売所などを紹介。9千部を作成し、区役所や区内の地域ケアプラザ、地区センター、駅構内のPRボックスなどに配架している。区のサイトからダウンロードもできる。

 「みんなの生活交通バス路線ポスター展示」は市立折本小、都田小、都田西小の子どもたちが描いた市営バス利用PRのポスターを掲出する企画で、緑営業所が拠点の市営バス車内(14日まで)、都筑スポーツセンター(16~21日、23~31日)、都筑区総合庁舎の区民ホール(11月4日)などで展示する。

 所管の区政推進課は「沿線にはスポーツセンターのほか、みなとみらい21地区が望める鬼塚台などの名所もある。沿線住民でない人もマップを活用し、318系統を利用してほしい」と呼び掛けている。

◆横浜市生活交通バス路線 住民生活に不可欠な一方で採算が取れない路線バスに、市道路局が補助金を交付して運賃収入などの赤字分を補てんし、運行を維持している路線。現在の対象は、市営バスと3社の計16路線。このうち市営バスの5路線が都筑区内を走っている。

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