【MLB】新人王候補のアンドゥハー、昨オフには剛腕とのトレード打診もヤ軍が拒否!?

ヤンキースのミゲル・アンドゥハー【写真:Getty Images】

新人王レースでは大谷のライバル、現アストロズのコールとトレードの可能性があったが…

 ヤンキースは今季、レギュラーシーズン100勝(62敗)を挙げてワイルドカードでプレーオフに進出したものの、地区シリーズでは同108勝(54敗)の“宿敵”レッドソックスに1勝3敗で敗れた。

 シーズンの光明は、ミゲル・アンドゥハー内野手、グレイバー・トーレス内野手という2人のルーキーの活躍。若手選手の成長は目覚ましく、アンドゥハーには昨年のアーロン・ジャッジ外野手に続く新人王受賞の期待が高まっている。“ライバル“は二刀流でメジャーに強烈なインパクトを与えたエンゼルスの大谷翔平投手だ。一方で、23歳の有望株は昨オフにエース候補となる右腕獲得のために放出される可能性があったと地元メディアが伝えている。

 昨オフ、ヤンキースは先発投手の獲得に動いており、FAでカブスと契約したダルビッシュ有投手の名前が浮上したこともあった。そんな中で常に有力候補として名前が挙がっていたのが、当時パイレーツのエースだったゲリット・コール。パイレーツは2019年シーズン後にFAとなる右腕を放出し、代わりに有望な若手を獲得することを目指していた。そして、結果としてコールはアストロズに移籍。今季32試合登板で15勝5敗、防御率2.88、200回1/3で276奪三振と圧巻の活躍を見せ、地区優勝に貢献した。

 地元紙「ニューヨーク・ポスト」は、長い間コールの放出を考えていたパイレーツは、ヤンキースよりもアストロズのオファーに魅力を感じ、放出したと指摘。一方で、「才能あふれる若手を豊富に抱えており、先発投手を必要としていたヤンキースは、長い間コールに熱い視線を送っていた」という。ただ、両者の思惑は噛み合わなかった。

トレードが成立していたら、今季のメジャーは大きく変わっていた?

 パイレーツは、ヤンキースのマイナー組織で最高の有望株とされていたトーレスの獲得を望んでいたが、「接触不可能だと言うことをすぐさま理解することになった」とされている。そして、他の若手に目をつけることになったが、その中にアンドゥハーも含まれていた。

 パイレーツは外野手のクリント・フレイジャーの獲得を目指し、ヤンキースも放出に納得していたという。しかし、パイレーツが同時にアンドゥハーを欲しがったため、交渉は頓挫した。結局、コールとフレイジャー&アンドゥハーの1対2のトレードは成立せず。コールはアストロズへと移籍した。

 夏にも放出の噂があったアンドゥハーは今季、149試合出場で打率.297、27本塁打、92打点、OPS.855の成績をマーク。通常の年であれば新人王として申し分ない数字だが、大谷が二刀流で鮮烈な活躍を見せたため、全米野球記者協会(BBWAA)に所属する記者の投票は割れると予想されている。ただ、プレーオフ進出を果たしたヤンキースの原動力となったことは間違いない。

 そして、コールもアストロズで大活躍。ポストシーズンでは、14日(同15日)のリーグ優勝決定シリーズでは強力レッドソックス打線を相手に6回6安打5失点(自責4)と苦戦して黒星を喫したが、地区シリーズではインディアンス相手に7回3安打1失点12奪三振と快投した。

 それぞれの球団、選手にとって何がベストな結果だったのかはもう分からない。だが、違う選択をとっていたら、今季のメジャーリーグの様相も大きく変わっていたかもしれない。(Full-Count編集部)

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