ソフトバンクいざファイナルSへ 工藤監督「強い気持ちをもって臨みたい」

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

選手たちは「プレッシャーかかる試合を乗り越えた」

■ソフトバンク 5-2 日本ハム(15日・ヤフオクドーム)

 ソフトバンクは15日、日本ハムとの接戦を制し、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージへと駒を進めた。

 絶対に負けられない一戦で、シーズン200発打線が本領を発揮した。初回に明石健志内野手、同点の4回にはデスパイネ内野手と松田宣浩内野手、さらに1点差に迫られた6回にはデスパイネの2本目と中村晃外野手と、5本のソロ本塁打で着実に得点を重ねていった。特にデスパイネは勝ち越し弾と1点差に迫られた直後の一発だ。

 工藤監督も「すごい効果的なホームランを打ってくれてね。すごいなと思います。2本とも完璧でしたね」と感謝しきりだった。

「勝ち抜くんだ、勝つんだという思いが出ていて、みんな集中して打席に立ってくれましたし、ピッチャーは自分のできる限りのことをマウンドの上でやってくれました。本当に選手たちのおかげですし、選手を支えてくれたコーチ、裏方さんの助けがなければここまで来ることができなかったと思います」

 工藤監督が14日の試合後に「大丈夫、明日は打ちます」と語った松田が、ステージ10打席目で本塁打を放ち、「信頼は変わることがない」と言った加治屋蓮投手が見事にリベンジを果たした。

 加治屋については「彼のピッチングなしにはここまで来れていないし、万が一、彼が打たれて負けたらしょうがないと割り切れるピッチャー。(ベンチに戻ってきて)感極まってというところがありましたが、思わずもらいそうになったので『ナイスピッチング』とだけ言ってすっと帰ってきました」と語った。

 これで優勝した西武が待ち受ける所沢へと乗り込んでいく。「こうやってプレッシャーのかかる試合の中で、それを乗り越えて先に進めるというのは選手たちの自信にもなったと思いますし、松田くんにとっても加治屋くんにとっても、また1つ成長できたんじゃないかなと思います。あの強い日本ハムさんを倒してファイナルに行けたという自信と誇りをしっかりと持って、西武と戦いたいと思います」と指揮官。

 今シーズンは敵地のメットライフドームでは分が悪いが「当然アウェイでやらなきゃいけないことはわかっています。日本ハムさんが見せてくれたように、そこに負けないくらいの強い気持ちを持って戦うのが大事だと思います」と、激戦を展開した日本ハムに敬意を示しながら次のステージへの意気込みを見せた。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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