介護就職者に奨励金 平戸市 若者の地元定着図る

 平戸市は本年度、市内の介護サービス事業所に介護職として新しく就職した25歳以下の人に奨励金として一律5万円を支給することを柱とした「人材確保支援事業」を創設した。市によると県内初の取り組みで、若者の地元定着や、介護の担い手づくりが狙い。
 対象は市内の介護事業所などで働く正規職員で、市外からの通勤者も可。奨励金のほか、初任者研修資格取得者に5万円を支給。奨励金を受け取った後、3年間勤務し介護福祉士の受験資格を得た人に10万円を贈るなどする。財源はふるさと納税の寄付金を活用する。
 市などによると、同市の高齢化率は38・54%(9月1日現在)で、2015年の市内の介護職員数は約850人。高齢化が進む中、介護は離職者も多く、25年には、さらに150人程度必要と推計している。
 現在、県立北松農業高と平戸高には130時間の研修などを受講すると介護職の初任者研修資格が与えられる福祉コースがあるが、多くが市外で就職しているため、地元での就職を選択肢とするきっかけにしてほしいともしている。
 市役所で15日あった交付式には支給対象の2人のうち、4月から同市田平町の特別養護老人ホームで介護職に就いた石本頼我(らいが)さん(21)が出席。黒田成彦市長は「責任を自覚し、市の介護職の発展へ頑張って」と激励し、石本さんに奨励金を手渡した。石本さんは「周囲の支えも受けながら平戸の地で頑張りたい」と話した。

黒田市長から奨励金を受け取る石本さん(右)=平戸市役所

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