【気象コラム】10月10日は本当に晴れの特異日?

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齊藤愛子

気象予報士

齊藤愛子

気象予報士

特別豪雪地帯の長野県信濃町生まれ。東京都立大学で有機化学を専攻し、在学中に気象予報士を取得。 日本気象協会入社後は放送局やデジタルサイネージ等を担当し、企画・開発に従事。

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 過去の統計から、ある特定の天気が現れる割合がその前後の日と比べ高い日は「特異日」といわれています。一年の中で前線が日本付近に停滞しやすい時期、台風が来やすい時期、冬型の気圧配置になりやすい時期、といった傾向はある程度わかっていますが、特定の日に低気圧や高気圧が来るということはもちろんなく、「特異日」に科学的な根拠はありません。

とはいえ、前後の日と比べて特別に晴天率が高い日があるのは事実です。東京の天気出現率(統計期間1981年~2010年)で、10月で最も晴天率が高いのは、10日の70%です。前後3日間の晴天率はおよそ20~50%ですので、10日がとりわけ晴天率が高くなっています。このため、東京で10月10日は晴れの特異日といってもよさそうです。

東京・池袋サンシャイン60から=筆者撮影

 他の地域はどうでしょうか。各地の10月後半(16日以降)の天気出現率で、前後3日間の平均より10%以上晴天率が高い日は、以下のとおりです。(カッコ内はその日の晴天率)

仙台:18日(80%)、23日(73%)、25日(80%)

東京:18日(63%)

大阪:18日(80%)27日(77%)、28日(77%)

福岡:27日(87%)、30日(77%)

 天気出現率はあくまで過去の統計なので、統計期間によってその傾向が変わることもあります。例えば、1964年10月10日、東京オリンピックの開会式が行われたこの日は、雲一つない快晴でした。開会式の日程は、過去の統計から晴天率が高い日が選ばれたのではという説がありましたが、気象庁お天気相談所によると、当時の資料では、10月10日は晴天率が高いというわけではなかったそうです。このように、今は晴天率が高い日でも、過去の統計では晴天率が高いというわけではない日もあり、統計期間によって変わるものではありますが、少し先の旅行などの予定を立てる際に参考程度に見るのはよいかもしれません。

そして2020年、東京オリンピックの開会式は7月24日の予定です。この日の東京の晴天率は53%、曇りは20%、雨は27%の出現率です。平年の関東甲信地方の梅雨明けは7月21日ごろで、梅雨が明けるかどうか、猛烈な暑さやゲリラ豪雨が心配される頃ではありますが、前回のオリンピックのような見事な日本晴れを期待したいところです。

 (気象予報士・齊藤愛子)