中上「MotoGPに特化したライディングがまだ足りていない」。母国でシングルフィニッシュ目指す

 ツインリンクもてぎで10月19日から開幕するMotoGP第16戦日本GP。LCRホンダ・イデミツからMotoGPに参戦する日本人ライダー、中上貴晶にとっては最高峰クラス昇格後初の母国レースだ。

 2018年からMotoGPの最高峰クラスに昇格し、世界のトップライダーたちと戦っている中上。2017年型のホンダRC213Vを駆り、今季はトップ10圏内のフィニッシュを目標に、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの獲得を目指している。

 ここまでの15戦を終え、中上は18ポイントを獲得して現在ランキング20位。ルーキー勢のなかでは3位につけている。ルーキー勢トップのフランコ・モルビデリ(エストレージャ・ガルシア・0.0・マーク・VDS)とは15ポイント差だ。

 ただ、中上の2018年ベストリザルトは第4戦スペインGPと第14戦アラゴンGPの12位。目標に掲げているトップ10入りは果たせていない。

 中上は「(日本GPでトップ10に)入りたいですね。トップ10に入るという強い気持ちはありますし、チャンスはあると思います」と母国レースへの意気込みを語る。

母国グランプリへ向けた意気込みを語る中上貴晶

「母国レースを迎えるということで、いつものレース以上にプレッシャーもあります。だけど、コースサイドやパドック内で日本の国旗や、自分の旗、グッズを身に着けて応援してくれる人たちを毎年見るたびに、ファンの期待に応えたいという気持ちがいつも以上に強くなります。それを最大限生かして、日本GPではシングルフィニッシュをしたいですね」

 目標となるトップ10入りを果たすために課題となっているものは何なのだろうか。「他のホンダライダーたちに比べ、MotoGPに特化したライディングがまだ足りていない部分があります」と中上は今抱えている課題を明かす。

「ライディングをもっと研究して身につけられれば、(ライバルとの)差がぐっと縮まると思っています。細かく言えば、エンジン性能は2017年型と2018年型で差は少しありますけど、車体はほぼ一緒です。ライダーの方で改善できる部分はたくさんあるので、まずはライディングを改善して良くしていきたいです」

 こう自己評価をくだす中上だが、チームメイトのカル・クラッチローは「タカは頑張っているし、いい仕事をしているよ」と中上を次のように評価する。

「チームに加入してからタカは2017年型のマシンを使っている。去年型のマシンで走ることは簡単ではないし、Moto2からMotoGPのバイクに慣れるのは本当に難しいんだ。ベストを尽くしていると思うよ」

「来年はもっといい結果が出せると思う。だけど、僕の願いは(中上が)モリビデリに勝つことなんだ。タカにはずっと言っているが、まだ叶っていない。頑張ってほしいね」

 昇格後初の母国レースに挑む中上。日本のファンの前で目標に掲げるトップ10入りを狙う。

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