福江地区でも検診へ 早ければ来年度から 長崎県検討 

 長崎県は、県内3カ所で毎年実施しているカネミ油症患者らの検診の会場について、五島市の福江地区を新たに加える検討を始めた。受診率向上を目的に、県が認定・未認定患者を対象に意向を調べたところ、会場や日程を増やすことを求める意見が多かったため。早ければ来年度にも福江地区での検診実施を目指す。
 油症検診は認定患者の健康状態を調べ、未認定患者の認定診査も兼ねる。県内では全国油症治療研究班の委託を受けた県が、五島市の玉之浦、奈留両町と長崎市の計3カ所で年1回、1日ずつ実施している。昨年度、県が検診の案内を送った県内の認定・未認定患者602人のうち、受診したのは3割にとどまった。
 県は4月以降、県内の認定患者と過去に検診を受けた未認定患者の計621人にアンケートを発送。7月末までに506人から回答があった。昨年の検診を「受診していない」と答えた338人に対し、何を改善すれば受診するか尋ねたところ、「検診日が増えれば」(36%)「検診会場が増えれば」(23%)といった意見が多かったという。
 県生活衛生課は「各会場の検診を(2日以上に)増やすのは現時点で難しい。検診会場の追加など、できるところから内容を充実させていきたい」としている。

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