【世界鉄鋼協会東京大会】世耕経済産業大臣「今こそ過剰生産能力削減を」 温室効果ガス排出「抜本的な対応必要」

 世界鉄鋼協会(WSA=ワールドスチール)は16日、東京都内のホテルでパネルディスカッションなどを開催したが、進藤孝生会長(新日鉄住金社長)の挨拶に続き、世耕弘成・経済産業大臣も登壇し、スピーチを行った。

世耕経済産業大臣

 世耕大臣は「世界にはまだ多くの鉄鋼の過剰生産能力が残っている。良い時期に手を緩めるような過去の過ちを繰り返さず、市況が好調を維持している今こそ、構造調整を円滑に進めることが必要。過剰な生産能力を削減し、復活させない最大のチャンスである」としながら、「12月からは日本が鉄鋼グローバルフォーラムの議長国になる。各国が納得する形でレビューを加速させるため、ただちに東京で事務レベル会合を開くつもりだ」と述べた。

 続いて、中長期な最大課題は地球環境問題への対応と指摘した上で「鉄鋼業は多くの温室効果ガスを排出しており、これを抜本的に変えなければ、300年を超える歴史を持つ近代製鉄業が2050年、2100年にも続くとは言えない。日本の優れた省エネ技術・低炭素技術の普及を進め、また石炭の替わりに水素を使って鉄鉱石を還元すると同時に、発生するCO2を分離・回収する世界最先端の技術開発を支援していきたい」と力強く挨拶した。

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